以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。
【問題】(早稲田大)
n は 2 よりも大きい整数とし,
数列: a1, a2, a3, ⋯, an,
と、
数列: b1, b2, b3, ⋯, bn,
は、全て正の数であって、
以下の式1と式2を満たすものとする。
このとき、
0<m<n
である全ての整数mに対して、
が成り立つことを証明せよ。
(問題おわり)
【問題を解くための発想の準備体操】
こういう、見た事の無い問題を解く場合は、
具体的な、特定の場合を考えて、問題を解くための発想が出やすくする、以下の様な考察をして発想の準備体操にします。
発想の準備体操なので、間違いがあっても、気にせず、その間違った発想を無かったことにはしないで、おおらかな気持ちで空想の翼を大きく広げます。
a1=a2=a3= ⋯=an=1
と考えます。
式1により、
a1+a2+a3+ ⋯+an=n,
b1+b2+b3+ ⋯+bn=n,
となります。
biをaiとの関係で考え易くするために、
bi=ki・ai ,(4)
とあらわす、kiという記号を導入します。
すると、式2は、以下の式5であらわせます。
すると、
式1により、
n=b1+b2+b3+ ⋯+bn
=k1+k2+k3+ ⋯+kn,
とあらわせます。
式5の関係があるので、
k1<kn ,
であって、
k1<1<kn ,
です。
a1+a2+a3+ ⋯+am=m,
に対して、
b1+b2+b3+ ⋯+bn
は、
kn=bn>1
となる項などの、1より大きい項が減るので、
b1+b2+b3+ ⋯ +bm<m
となります。
これで、具体例が、証明しようとするところまでつながるまで、準備体操が進みました。
【証明に近づく考察】
biの和を、記号kiを使ってあらわすと、以下の式6になります。
この式6を式1に代入すると以下の式7が得られ、整理すると式8になります
式5に従ってkiが順次に大きくなるので、
式8を成り立たせるために、
(ki-1)が順次に、マイナスの値から始めて、プラスの値まで移行する事がわかります。
そのため、
式8の和を途中のmで止めてしまったら、
(ki-1)がプラスになる項が不足してしまうので、
そこまでの和は負になる事がわかるので、
0<m<nなる整数mに関して以下の式9が成り立つ事がわかります。
これで、証明の式までたどりつけました。
しかし、この考えを反省すると以下の欠陥がある事が分かります。
(以上の考察の欠陥)
式8の和を途中のmで止めてしまったら、
(ki-1)がプラスになる項が減るだけで無く、
(ki-1)がマイナスになる項が減ることもあり得るではないか。
その場合は、減った項の和がプラスになるとは限らなくなり、残った項の和がマイナスになるとは限らないではないか。
この欠陥があったので、改めて、
(ki-1)がプラスになる項が減るだけでなく、マイナスになる項も減る場合を考えます。
その場合は、残った項(mまでの項)は全て、(ki-1)がマイナスになります。
そのため、それらの項の和はマイナスになり、式9が成り立ちます。
これで、証明が出来上がりました。
証明のポイントは、
式7を書いて、
式8を導いて 、
(場合1)
式8の和を途中のmで止めたら、
未だ加えていない残りの項が全て、(ki-1)がプラスになる場合。
(場合2)
式8の和を途中のmで止めたら、
そこまで加えた項が全て、(ki-1)がマイナスになる場合。
この2つの場合に分けて式9を証明する。そして、式9を変形して、以下の式10にすれば良いことがわかりました。
後は、この方針で整理して証明を記述する作業が残っていますが、その部分は省略しますので、各自で行なってください。
リンク:
高校数学の目次
【問題】(早稲田大)
n は 2 よりも大きい整数とし,
数列: a1, a2, a3, ⋯, an,
と、
数列: b1, b2, b3, ⋯, bn,
は、全て正の数であって、
以下の式1と式2を満たすものとする。
このとき、
0<m<n
である全ての整数mに対して、
が成り立つことを証明せよ。
(問題おわり)
【問題を解くための発想の準備体操】
こういう、見た事の無い問題を解く場合は、
具体的な、特定の場合を考えて、問題を解くための発想が出やすくする、以下の様な考察をして発想の準備体操にします。
発想の準備体操なので、間違いがあっても、気にせず、その間違った発想を無かったことにはしないで、おおらかな気持ちで空想の翼を大きく広げます。
a1=a2=a3= ⋯=an=1
と考えます。
式1により、
a1+a2+a3+ ⋯+an=n,
b1+b2+b3+ ⋯+bn=n,
となります。
biをaiとの関係で考え易くするために、
bi=ki・ai ,(4)
とあらわす、kiという記号を導入します。
すると、式2は、以下の式5であらわせます。
すると、
式1により、
n=b1+b2+b3+ ⋯+bn
=k1+k2+k3+ ⋯+kn,
とあらわせます。
式5の関係があるので、
k1<kn ,
であって、
k1<1<kn ,
です。
a1+a2+a3+ ⋯+am=m,
に対して、
b1+b2+b3+ ⋯+bn
は、
kn=bn>1
となる項などの、1より大きい項が減るので、
b1+b2+b3+ ⋯ +bm<m
となります。
これで、具体例が、証明しようとするところまでつながるまで、準備体操が進みました。
【証明に近づく考察】
biの和を、記号kiを使ってあらわすと、以下の式6になります。
この式6を式1に代入すると以下の式7が得られ、整理すると式8になります
式5に従ってkiが順次に大きくなるので、
式8を成り立たせるために、
(ki-1)が順次に、マイナスの値から始めて、プラスの値まで移行する事がわかります。
そのため、
式8の和を途中のmで止めてしまったら、
(ki-1)がプラスになる項が不足してしまうので、
そこまでの和は負になる事がわかるので、
0<m<nなる整数mに関して以下の式9が成り立つ事がわかります。
これで、証明の式までたどりつけました。
しかし、この考えを反省すると以下の欠陥がある事が分かります。
(以上の考察の欠陥)
式8の和を途中のmで止めてしまったら、
(ki-1)がプラスになる項が減るだけで無く、
(ki-1)がマイナスになる項が減ることもあり得るではないか。
その場合は、減った項の和がプラスになるとは限らなくなり、残った項の和がマイナスになるとは限らないではないか。
この欠陥があったので、改めて、
(ki-1)がプラスになる項が減るだけでなく、マイナスになる項も減る場合を考えます。
その場合は、残った項(mまでの項)は全て、(ki-1)がマイナスになります。
そのため、それらの項の和はマイナスになり、式9が成り立ちます。
これで、証明が出来上がりました。
証明のポイントは、
式7を書いて、
式8を導いて 、
(場合1)
式8の和を途中のmで止めたら、
未だ加えていない残りの項が全て、(ki-1)がプラスになる場合。
(場合2)
式8の和を途中のmで止めたら、
そこまで加えた項が全て、(ki-1)がマイナスになる場合。
この2つの場合に分けて式9を証明する。そして、式9を変形して、以下の式10にすれば良いことがわかりました。
後は、この方針で整理して証明を記述する作業が残っていますが、その部分は省略しますので、各自で行なってください。
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