2026年3月22日日曜日

円と放物線の接線(2)重解の判別式の意味

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。

《「微分・積分」の勉強》

 なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。

【問1】hの値を変えたとき、
放物線 y=x+h (式1)
と、円 x+(y-1)=1 (式2)
とが接する場合に、その接点(x,y)の値を求めよ。


《以下で、この問題の3つの解答を示す》
【解答1】微分を使って解く解答
【解答2】微分を使わないで、方程式の変形のみで解く面倒くさい解答(重解の、特殊な判別式を使う)
【解答3】グラフの図形を使って簡単に解く解答(重解の判別式の意味を考える)

(解答1の解答の方針)
なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できるので、微分により接線の式を計算して方程式を書く。

【解答1】
(1)
接点(x,y)において、 
式1から、
放物線 y=x+h  (式1’)
式2から、
円 x+(y-1)=1 (式2’) 


(2)
式1の放物線の接点(x,y)における接線の傾きy’は、式1の関数をxで微分して計算し、
y’=2x (式3)
である。
(3)
式2の円の接点(x,y)における接線の傾きy’は、
法線の傾き(y-1)/xの逆数に(-1)を掛け算したものであって、
y’=-x/(y-1) 
(式4)
である。

(4)
この2つの接線の傾きの値が等しいので、
式3=式4:
この式5を解くと、
x=0 (式6)
or
y-1=-1/2

y=1/2 (式7)
 

(5)
(式6の場合の接点を求める)
式6を式2に代入する。
(y-1)=1
(y-1)=±1
y=2
or
y=0
 

接点は、
(x,y)=(0,0) (式8)
or
(x,y)=(0,2) (式9)
 

(5-1)
式8の場合に、式8を式1に代入する。
h=0

(5-2)
式9の場合に、式9を式1に代入する。
h=2

(5-3)
よって
接点=(0,0)でh=0
or
接点=(0,2)でh=2

(以上が、第1の種類の接点)

(6)

(式7の場合の接点を求める)
式7(y=1/2)を式4に代入する。
式1より
接点は、
このとき、
(以上が第2の種類の接点)
(解答1おわり)

【解答2】
 この問題を微分を使わないで、図形の交点が接点となる場合に重解になる事を利用して解く場合は、以下のように面倒くさい解き方になります。
 この方程式で、以下の式3の置き換えをして解く。

この式4から、以下の式5と式6を得て、式6からxの式を得る。
この解を、以下の様にグラフで表す。
hを変えた場合の解の様子を、以下のグラフで考える。
この様に、hが大きくなると、4つの交点のうちの2つが消える事を認識する。
この事をふまえて考察すると、2つのグラフが接することになる条件は、以下の3つである。 
これら、各場合を、以下の様にして解く。
 この式は、重解となる条件をあらわすので、重解の判別式であると解釈できる。
この判別式は、等価な以下の連立方程式8-1と8-1bに変形できる。
 式8-1bを以下の式に変形する。
これが、場合1の解である。
これが、場合2の解である。
これが、場合3の解である。
(解答2おわり)

【解答3】
 以下のように、図で考えて図から答えを得て計算すると簡単に解ける。 


式(1)と式(2)は、この式(4)と式(2)の連立方程式に変換された。((注意)yだけで表される式(4)だけでは、どのようにしても、x軸に平行な傾きで曲線が接する接点を求めることはできない。元の式(1)と式(2)のグラフを、y軸を基準にして見ると、y軸を基準にして傾きが無限大になる接線(x軸に平行な直線)は、yの関数として表すことができない。それが、yだけの式(4)からx軸に平行な傾きの曲線の接点が求められない原因である)。

 式(4)と式(2)の関係を、以下の図であらわす。 


hを変えた場合の解の様子を、以下のグラフで考える。

この様に、hが大きくなると、4つの交点のうちの2つが消える事を認識する。
 この事をふまえて、式4と式2の関係を考察する。
式1と式2の2つのグラフが接することになる条件は、式4と式2の2つのグラフの4つの交点のうちの2つが重なって重解になる条件と同じである。
各場合の、重解になる条件をあらわす式が、その各場合の重解の判別式である。
重解になる条件は、以下の3つの場合がある。 
これら、各場合を、以下の様にして解く。
これが、場合1の解である。
これが、場合2の解である。


これが、場合3の解である。
(解答3おわり)

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2026年3月21日土曜日

円と放物線の交点の問題

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】hの値を変えたとき、

放物線 y=x+h (式1)
と、円 x+(y-1)=1 (式2)
とが異なる4個の交点で交差するような定数hの範囲を求めよ。


【解答】
 以下の様に、方程式群を等価な方程式群に変換した上で、その方程式群で、図形の交点を求める。


式1を以下の式3に変形した上で式2に代入して式4を求める。

この方程式4と方程式1を連立した方程式の群は、元の方程式1と式2とから成る方程式の群に等価である。(同値変形である)。

この式1と式4の1組の式を連立して得た共有点(x,y)の解が、式1と式2のグラフの共有点(x,y) の解になる。

 式4のyの式が、yの値の解を持たない場合は、式1と式4の連立方程式には解が無い。
 式4のyの式が、yの値の解を持つ場合は、式4は上図の、X軸に平行な2本の直線のグラフをあらわす。式2のグラフは上図の、赤線で表した円のグラフである。上図の青線で表したグラフは、式1の表すグラフである。


 式(4)がyの解を持ち、式(4)と式(1) の共有点が4つになる場合は、以下の計算でyの解を求める。共有点が4つになるためのyの値の存在条件として式(6) を求める。


すなわち、この式(6) を加えて、以下のように、連立方程式の同値変形ができる。

この連立方程式の解に共有点(x,y) が存在するために、xの解も存在しなければならない。さらに、その共有点(x,y) は4個なければならない。そのxの解の存在条件を以下の計算によって求める。

式10を更に変形する。

xの解が4点存在する条件が式(12) である。この式を、yの解の存在条件の式(6) に加える。そして、先の連立方程式を以下の連立方程式に同値変形する。

この連立方程式は、式(6)(12) から成るxとyの存在条件を満足することによって、式(5) が与えるyの解が2つあり、式(7) が与えるxの二乗の解も(xが0で無い解が)2つある。結局、存在条件の式(6)(12) を満足させることで、異なる4つの点(x,y) の解が存在する。
よって、式(6)(12) が求める定数hの範囲である。
(解答おわり)

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2026年3月17日火曜日

座標値が整数の点の集合を求める問題

このページは、ここをクリックした先の問題の回答です。

【問1】実数のmの値が変化するとき、2直線
2mx-y+m=0 (直線1)
x+my-1=0  (直線2)
の交点P(X,Y)で、座標値が整数である点を求めよ。

【問2】実数のmの値が変化するとき、2直線
mx-y+m=0 (直線1)
x+my-1=0  (直線2)
の交点P(X,Y)で、座標値が整数である点を求めよ。

【問題の解説】
 数XとYとが整数であると定義されている問題では、当初の命題が、更に、有限個の点(X,Y) の集合を列記した命題に同値変形される。

 特に、上記の問1と問2の解答は、同じ有限個の点(X,Y) の集合になる特徴がある。

【問1の解答】



以下で、方程式(6) を方程式(7) に変形する。

変形した方程式(7) を使って命題Eをあらわす。

この命題Eに係わる方程式(7) は以下のグラフをあらわす。

このグラフから求めた解は、以下の命題Fになる。

結局、命題Aは命題Fに同値変形された。

(問1の解答おわり)

【問2】実数のmの値が変化するとき、2直線
mx-y+m=0 (直線1)
x+my-1=0  (直線2)
の交点P(X,Y)で、座標値が整数である点を求めよ。
(問題おわり)
 先に導出した命題Fがあらわす有限個の点(X,Y) の集合にあてはまる方程式は、方程式(7) 以外にも存在し得る。

問2の以下の命題Gに係わる方程式がそうである。

なぜなら、問2の命題Gを同値変形すると、以下の命題Hが得られるからである。
【問2の解答】


この命題Hに係わる方程式(8) は以下のグラフをあらわす。

そして、このグラフから求めた解は命題Fになる。

(問2の解答おわり)

 命題Gは命題Fに同値変形される。

命題G(命題H)に係わる方程式(8) は、命題Fがあらわす点(X,Y) の集合に同値変形されるが、方程式(8) は、命題Aに係わる方程式(7) とは、同じ有限個の点(X,Y) の集合をあらわす、という共通点しかない。
命題Aと命題Gが等価(同値)であっても、その有限個の点(X,Y) の集合をあらわす方程式(7) も方程式(8) も、座標の値が整数の点(X,Y) 以外の余分な情報を含んでいる。その余分な情報があるので、方程式(7) と方程式(8) は互いに変換されない。その状況では、方程式(7) も方程式(8) も、いずれの方程式も、命題Aの本質を表現する基本的な式ではない。方程式(7) も方程式(8) も、いずれの方程式も、「座標の値が整数の点(X,Y) 」という前提条件と結び付けられることで、余分な情報が消え、点の集合をあらわす命題Fという必要十分な情報になる。
 そのように、「以下の式を満足する(整数の)点(X,Y) の集合」と言う言葉は大切な情報なので、たとえ冗長であっても、なるべく、消さずに残しておくことが望ましい。

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無理方程式を解くときに注意すること3つ
二重根号の外し方の4つの方法
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