2015年6月24日水曜日

rとsが線分ozに関して対称な位置にある証明

この解答の元の問題はここをクリックした先にあります。

【問】
 複素数rとsとzに関して以下の式が成り立つとき、
rとsが線分ozに関して対称な位置にあることを示せ。

【解答1】
ベクトルrとSの、ベクトルZへの正射影が等しく、ベクトルrとSの、ベクトルZに垂直なベクトルへの正射影が、
符号が逆で絶対値は等しい。
そのため、rの絶対値とSの絶対値が等しい。
また、三角形OrZと三角形OSZは合同である。
そのため、
rとSは線分OZに関して対称な位置にある。
(証明おわり)

【解答2】
以下の関係が成り立つ。
よって、ベクトル(r+s)がベクトルZに平行である。
ベクトルrとSの和がベクトルZに平行なので、
ベクトルrとSの、ベクトルZに垂直な成分は、符号が逆で絶対値が等しい。
また、
が成り立つ。
そのためベクトルrとSの、線分OZへの正射影が等しい。そのため、rとSは、線分OZに垂直な1つの直線上にある。
また、
ベクトルrとSの、線分OZに垂直な成分は、符号が逆で絶対値が等しいので、
ベクトルrとSは線分OZに関して対称なベクトルである。
(証明おわり)

【解答3】

上図において、直線OZに関して点sと点Rが線対称な位置にあるものとする。
その四角形OSZRの各点の複素数を複素数zで割り算する。
得られた複素数があらわす四角形O(s2)(z2)(r2)は、四角形OSZRに相似な第2の図になる。その点(s2)と点(r2)の複素数は互いに共役な複素数になる。そのため、以下の公式が成り立つ。

(公式の導出おわり)

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2015年6月13日土曜日

複素数平面の計算公式を使って円周角の定理を示す

このページは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問】円周角の定理をあらわす以下の複素数平面の図を考えて、以下の式の形で円周角の定理があらわされることを計算して試してみましょう。
(注意)オイラーの定理「exp(iβ)=(cosβ+isinβ)」は、前提条件として使ってください。
この問題の目的はオイラーの定理を証明することでは無く、
(cosβ+isinβ)をexp(iβ)であらわした方が式が簡潔だからです。

【解答1】
 この問題は、ベクトルの難問ですが、

複素数平面の計算公式
を適用すると、以下の様に簡単に解けます。
先ず、図を以下の図に書き換えて問題を解きます。

上図において、
という関係があることに注目し、
複素数平面の計算公式を適用する。
ここで式の項を置き換えたAは実数です。
更に計算を進めます。
 ここで、Bは実数である。
(解答1おわり)

【解答2】
以下の計算公式が成り立ちます。

この公式を使って、以下の計算ができる。

(解答2おわり)

 以上のように、複素数平面の計算公式により、円周角の定理を簡単に示すことができました。

 ベクトルの難問は、複素数平面の計算公式を使うと簡単になる場合が多いです。

リンク:
ベクトルの内積で円周角の定理を確認する
複素数計算の公式を覚える
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2015年5月22日金曜日

正5角形の問題の解答

この解答は、ここをクリックした先の問題の解答です。

複素数平面において半径1の円に内接する正5角形を考える。


-1=0
の5つの解をX=1と、X、X、X、Xとする。


【問1】以下を証明せよ
|(1-X)(1-X)(1-X)(1-X)|=5
すなわち、
abab=5
を証明する。

【問2】以下を証明せよ
|(1-X)|+|(1-X)|+|(1-X)|+|(1-X)|=10
すなわち、
+b+b+a=10
を証明する。

【問3】図の長さsを計算せよ


(解答)
【問1】
-1=0
の5つの解をX=1と、X、X、X、Xとすると、
0=X-1
=(X-X)(X-X)(X-X)(X-X)(X-X) (式1)
の関係が成り立ち、
それらの解を複素数平面上であらわした点を結ぶと正5角形になる。
式1を用いると以下の式2が得られる。
問1の式の左辺の絶対値の中の式はその式2のXを1に置き換えた式の左辺である。

(X-X)(X-X)(X-X)(X-X)=(X-1)/(X-1)
=X+X+X+X+1 (式2)
ここで、
X=1
とすると、
(1-X)(1-X)(1-X)(1-X)=5
(証明おわり)

(解答)
【問2】

-1=0
のXの4乗の項の係数が0であるので、
5次方程式の根と係数の関係から、

式4を式3に代入すると
|(1-X)|+|(1-X)|+|(1-X)|+|(1-X)|=10
(証明おわり)

(解答)
【問3】
=BC=AC-AB

ここで、aは以下のようにして求めることができる。
問1の結果から、
=5 (6)
問2の結果から、
+b=5 (7)
とbを求めるtの式を根と係数の関係を利用して作る。
0=(t-a)(t-b
=t-(a+b)t+a
ここで、式6と式7を代入する。
0=t-5t+5 (8)
この式8を解く。

は式8の解のうち小さい方の値であるので、

式9を式5に代入する。

(解答おわり)

(話の追加)
sの長さがわかったので、例えば下図のようにこの長さsを作図して、その長さを使って正5角形を作図できる。

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2015年5月19日火曜日

複素数平面のベクトル方程式の解

この解答の元の問題はここをクリックした先にあります。

【問】複素数αとβに関して以下の式が成り立つとき、αおよびβそれぞれが複素数平面上で描く図形を求めよ。

【解答】
この問題は、複素数のベクトル方程式です。
なぜなら、以下の様に、2つのベクトルをあらわす複素数の実数係数の和の形のベクトル方程式の形をしているからです。
(1)先ず、複素数のあらわすベクトルが互いに平行では無い、独立したベクトルである場合について解きます。
このとき、このベクトル方程式の解は、互いに独立なベクトルの係数の総和A、およびB、が0の解をもちます。

(1-1)このうち、αに関する式は、以下の様に計算できます。

この式は「複素数平面上のベクトルの内積の式」の形をしていて、ベクトルの内積が0になることを表しています。すなわち、αの描く図形は、原点と-2の点を結んだ線分を直径にする円になります。ただし、最初の方程式を成立させるため、原点の0は除きます。

(別解)この式の解釈は、以下の式の変形方法の方が読者になじみが深いのではないかと思う。

よって、ー1の点を中心にした半径1の円を描く(ただし、原点の0を除く)。

(1-2)次に、βの式を計算します。

 βは虚軸上の直線を描きます。ただし、原点の0は除きます。

(2)次に、複素数のあらわすベクトルが互いに平行な場合を考えます。
 この場合は、以下の様に計算できます。
 (解答おわり)

(補足)
 この問題の式が以下の式に変形されている場合も、最初の式の形に、すなわち、2つのベクトルの実数係数の和の形に変形して問題を解けるように練習しておきましょう。
 以下の式の場合も同様に、2つのベクトルの実数係数の和の形の最初の式の形に変形して問題を解けるようになりましょう。

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2015年4月28日火曜日

複素数平面を利用して問題を易しくする

この解答の元の問題はここをクリックした先にあります。

【問1】
 xy平面の放物線 y=x上の3点P,Q,Rが次の条件を満たしている。
△PQRは一辺の長さaの正三角形であり、点P,Qを通る直線の傾きは√2である。
このとき、aの値を求めよ。


【解】
 先ず、この問題を図形に描いてみます。


 次に、この問題の図形がどう変形して問題の条件に合う図形になるか、少し図形を描いて考える。

正三角形PQRは、線分PQの垂直二等分線上に点Rがある。
また、傾き√2の線分PQを、点PとQを放物線上に置いて平行移動させても、線分PQの中点のx座標は変わらない。
その中点のx座標の値をbとおく。

 線分PQのx軸上への射影の長さを2tとする。
そうすると、求めるべき三角形PQRの辺の長さaは、tの2√3倍である。

 このbとtを使ってP,Qのx座標をあらわしてみる。
 次に、三角形PQRが正三角形になる条件を、複素数平面の以下の式で表現する。

この式の意味は、
「点Pを中心にして、ベクトルPQを、長さを変えずに左回りに(π/3)の角度回転させると、正三角形の頂点Rを与えるベクトルPRになる。」
という意味の式です。

(このように、複素数平面では複素数の掛け算がベクトルの角度を変えるという性質を利用すると、正三角形になるという条件が楽に導入できました。)

 この式は、実部と虚部をともに一致させる式であるので、2本の式に相当します。
 この式と先の式①(あるいは式②と③)を連立させると、未知な点P,Q,Rの3つの座標を確定させる3つの式がそろった。

 そのため、これらの式を連立させることで問題が解けると考える。

 以下で、この複素数の式を整理して式を単純化する。
 この式の左右を一致させるのは、
(1)実部が一致すること。
(2)実部に対する虚部の比が一致すること。
です。
 (2)から先に計算してみます。
この式⑤と⑥を、②と③を代入してtであらわしてみます。
⑦と⑧を連立させてxを消去する。
これから、tを計算する。
これで、求めるaの値が計算できた。
(解答おわり)

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2015年4月27日月曜日

線対称なベクトルの複素数の式

この解は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問2の3】

 上の図のように、ベクトルαを対称軸にした、ベクトルβに線対称なベクトルが上の式で表されることを証明せよ。

【解】
 ベクトルβに線対称なベクトルsは、以下の様に計算することで求められる。

【別解】
上の解答は覚えにくいので、覚え易い解答を書きます。

上図を参照して、以下のように考える。
 左回りの偏角θを持っていて長さがベクトルαとβの積のベクトルを、αとβであらわし、
また、sとαであらわす。
 (解答おわり)

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2015年4月25日土曜日