2020年12月2日水曜日

3次元ベクトルの分解の公式の証明

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【課題】
 以下の図の3次元ベクトルzを、3次元ベクトルaとbとcの方向のベクトルの和であらわす公式を導き出す。
 3次元ベクトルの分解の公式は、以下の図の平行6面体の体積比を使ってあらわせる。

(3次元ベクトルの分解の公式おわり)

【第1の証明】
(1)ベクトルaの方向の単位ベクトルをベクトルSとする。
(2)ベクトルaとベクトルbの張る平面上のベクトルで、ベクトルaに垂直な単位ベクトルをベクトルTとする。
(3)ベクトルSとベクトルTの外積をベクトルUとする。ベクトルUは単位ベクトルになる。
直交ベクトル系、S,T,Uで、ベクトルa,b,c,Zが以下の図のように表せる。


このとき、以下の式が成り立つ。

また、公式の右辺の各項が以下の式で表せる。

式5から6を合わせると以下の式が成り立つ。

(公式の第1の証明おわり)

【究極の方法】
 この証明から分かるように、問題を解くためにとても役にたつ方法は、このベクトルの分解の公式等を使うよりも、上図のように、ベクトルSとベクトルTとベクトルUによる直交座標系を導入することである。そうして、上の様に、ベクトルZをその直交座標系への成分に分解して問題を解く方が、問題を解くのに役に立つ。

【第2の証明】
ベクトルzはベクトルa,b,cを用いて以下の式であらわされる。

この式と、ベクトルaとbの外積ベクトルとの内積をとる。すると、ベクトルaとbの項が消えた式が得られるので、ベクトルcの係数pが求められる。

以上で各ベクトルの係数が求められたので、以下の式が得られた。

(第2の証明おわり)


リンク:
2次元ベクトルの合成の公式と分解の公式と2元連立方程式の解
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