2026年3月9日月曜日

軌跡の点の情報の命題を同値変形して解く技術

以下は、ここをクリックした先の問題の解2である。

【問1】実数のmの値が変化するとき、2直線
mx-y+5m=0 (直線1)
x+my-5=0  (直線2)
の交点P(X,Y)の軌跡を求めよ。

【解2の方針】
 交点P(X,Y)を与える式は、2直線を与える式をそのまま使うことができる。

mX-Y+5m=0 (式1)
X+mY-5=0  (式2)
ここで、この式を連立してmを消去すれば、XとYの式が得られるが、
そのように、mを消去する計算によって、mが存在することが保証された条件下で点P(X,Y)の可能な全ての集合が求められるのか、という懸念がある。
 そのため、この懸念が解消される論拠を明確にしつつ、以下のように問題を解く。

【解2の開始】
 以下のようにして、(式2)から、mを点(X,Y)の座標であらわす式を求める。

(6) Y≠0 , の場合には、(7)式によってXとYからmが求められる。そして、XとYの間には、(6)の制約条件以外には、式(8)による制約条件が与えられる。
 ここで、式(6)(8)の制約条件を満足するすべての点(X,Y) は、式(7)によってmの値の解を与えるので、(X,Y,m)の解がある。
 一方で、(3)(4)(5)が与えた(X,Y,m)=(5,0,0)も解である。
式(8)は、以下の式に同値変形できる。

よって、求める点P(X,Y)の軌跡は、
Y=0の場合は、X=5となる点のみが解であり、
Y≠0の場合は、式(9)であらわされる円上の(Y≠0である)全ての点の集合になる。
点Pの軌跡は、以下の図であらわした、点(-5,0)を除く、円上の点になる。

(解2おわり)

《補足》
 方程式の群を同値変形して、以下の形の方程式の群が得られた場合は、その軌跡の式(a1) を満足する全ての点(X,Y) が、方程式群の全ての解(X,Y,m) を与える。

詳しくは、以下の内容である。すなわち、方程式の群の同値変形によって;①、パラメータmが点(X,Y) の解として与えられる方程式(a2) が求められた。また、②、XとYとの軌跡の方程式(a1) が求められた。①と②が得られたならば、軌跡の方程式(a1) を満たす全ての点(X,Y) に対して、方程式の解(X,Y,m) が存在する。という公式が成り立つ。
 この公式は、「①と②が得られたならば、パラメータmを消して全ての点が解となる軌跡の式(a1) が求められる」という、(消さなくても良い)「パラメータmを消す」という回りくどい言い方をする「存在条件の代入原理」よりも分かりやすいと思う。

リンク:
同値変形の考え方
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