2021年3月5日金曜日

内角が二等分される点の軌跡

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】
原点をOとするxy平面上に点A(-2,0)と点B(1,0)がある。∠OPA=∠OPBを満たす点Pの軌跡を求めよ。(ただし、∠OPA=0の場合も含めること)



【解答その1】

∠OPA=∠OPB=θとする。そのとき、直線OP上の点Aの高さと点Bの高さの比は、a:bで一定である(a=2,b=1)。
すなわち、以下の式が成り立つ。



(注意)この式は、点Pが原点Oに重なってしまい辺OPが1点になってしまう場合にも成り立つ。しかし、その場合は、その1点に替わってしまった「辺」の方向が考えられないので、問題の条件が成り立っていない。この式は、そのように、問題の条件が成り立たなくなっている点Pに対しても成り立つ式である。

この式は以下の様に解ける。



この式1と式2の解がある。
(第1の解)式1のθ=0の解は、点Pが直線AB上の、辺ABの外にある(点Aと点Bは含まない)場合にθ=0になる。これが、第1の解である。

点Aの位置に点Pが来ると、辺APが1点になってしまう。その場合には、その「辺」の方向が考えられない。そのため、「辺」が1点になってしまう場合は解にはしない。点Bに点Pが重なる場合も同様。

(第2の解の考察)点AとBの間の(点Aと点Bは含まない)辺AB内の点Pについては、下図の様に、∠APB=180°であって、辺ABに垂直な線がその角を二等分する。


この図の点P=原点Oとして、∠APO=∠BPO=90°となると考えても良さそうに思う。しかし、点P=原点Oというように辺POが1点に重なってしまう場合には、すなわち、辺OPが1点になってしまう場合には、その「辺」の方向が考えられない。そのため、「辺」が1点になってしまう場合は解にはしない。

(第3の解)
以下で式2による第3の解を計算する。



この式は(2,0)を中心にした半径2の円であり、原点Oを通る。
 逆に、(2,0)を中心にした半径2の円上の点Pは全て、問題の条件を満足するかを考える。
 ここで、点Pが原点Oに重なってしまい辺OPが1点になってしまう場合には、その「辺」の方向が考えられない。そのため、「辺」が1点になってしまう、点Pが点Oに重なる場合は解にしない。

この第1の解と第3の解の軌跡を以下の図に赤線で示す。


(解答その1おわり)

【解答その2】
∠OPA=∠OPB=θとする。そのとき、余弦定理から、以下の2つの式が成り立つ。


この式(1)と(2)から角度θを消去する。

ここで、この式を整理するために、以下の2つの式を用いる。

この2つの式を先の式に代入する。


この2つの解のうち、問題の条件を満足する解を抽出する。
(第1の解) 直線y=0、すなわち、直線ABの場合:
逆に、直線y=0上の点は全て、問題の条件を満足するかを考える。
ここで、点Pが直線AB上の、辺ABの外にある(点Aと点Bは含まない)場合にθ=0になり、問題の条件を満足する。しかし、辺ABの中に点Pがある場合は、問題の条件が満足されない。

(第2の解)


この式は(2,0)を中心にした半径2の円であり、原点Oを通る。
 逆に、(2,0)を中心にした半径2の円上の点Pは全て、問題の条件を満足するかを考える。
 ここで、点Pが原点Oに重なってしまい辺OPが1点になってしまう場合には、その「辺」の方向が考えられない。そのため、「辺」が1点になってしまう、点Pが点Oに重なる場合は解ではない。

以上の第1の解と第2の解の軌跡は解答1と同じであり解答1で示した図の軌跡を描く。
(解答その2おわり)

【補足】
 解答その2の計算が大変であって、解答その1の計算が楽だった、という解答の難易度の差が出たのは、三角形の内角の二等分線にかかわる関係式が多く 存在しているため、解答その1のように、最終解答の式に近い式を使った方が計算が楽だったからだと考えます。

【解答その3】
以下の図のような複素数平面の図を利用して問題を解きます。


辺OZが頂角Aを二等分することを表す、複素数平面の方程式を書く。

この方程式で、
z≠0, z≠a, z≠b,
z=x+yi
である。
(注意)この方程式は、角度θを2倍して比較する式である。そのため、∠OZAが180°の場合、それを2倍して360°、すなわち、0°と同等の角度として角度を比較している。そのため、この方程式は角度180°と角度0°を区別しない。しかし、その場合には問題の条件が成り立っていない。この式は、そのように、問題の条件が成り立たなくなっている点zに対しても成り立つ式である。

この方程式を以下で変形する。



(第1の解) 直線y=0、すなわち、直線ABの場合:
逆に、直線y=0上の点は全て、問題の条件を満足するかを考える。
ここで、点Pが直線AB上の、辺ABの外にある(点Aと点Bは含まない)場合にθ=0になり、問題の条件を満足する。しかし、辺ABの中に点Pがある場合は、問題の条件が満足されない。

(第2の解) (2,0)を中心にした半径2の円であり、原点Oを通る。
ただし、
z≠0, z≠a, z≠b,
を満足するために、この円から原点Oを除く。
(解答その3おわり)

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