2019年8月3日土曜日

ベクトル方程式で三角形の外心の位置ベクトルを求める

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。 

大学への数学「ベクトル」編の勉強

【問2】
 頂点Bが原点Oにある三角形ABCの外心Pの位置ベクトルPを、位置ベクトルAとCと、その位置ベクトルに垂直なベクトルであらわせ。


【解答】
求める位置ベクトルPは、以下の式1と式2との2つの式であらわせます。この式で係数kとmが未知数です。 


この式で求めた未知数mを位置ベクトルPの式2に代入する。
位置ベクトルPが式5で得られた。
(ベクトルcvは、図で上向きのベクトルであるものとする)
(解答おわり)

なお、ベクトルCv の具体的な式は以下の式で与えられる。ただし、ベクトルC=(c1,c2)ならば、ベクトルCv=(-c2,c1)という簡単な式であらわせる。


(図形を平行移動して一般解を求める)
以下で、式5を、点Bを原点から平行移動した図形における外心Pの位置ベクトルの式に変換する。
よって、点Pの座標をあらわす式は、以下の式になる。
(解答おわり)
式8は、位置ベクトルMに、ベクトルBCを90°回転したベクトル(BCv)に平行なベクトルを加えた形で位置ベクトルPを表した式です。

【研究課題】
ここで、ベクトルの分解の公式を使って式8を変換する。
 この2つの式を式8に代入する。
 (式の変換おわり)

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2019年8月2日金曜日

ベクトル方程式で三角形の垂心の位置ベクトルを求める

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。 

大学への数学「ベクトル」編の勉強

【問1b】
 三角形AOCの垂心Dの位置ベクトルを、ベクトルOAとOCと、それに垂直なベクトルであらわせ。


【解答】
求める位置ベクトルODは、以下の式1と式2との2つの式であらわせます。この式で係数kとmが未知数です。 

この式で求めた未知数kを位置ベクトルdの式1に代入する。
位置ベクトルdが式4で得られた。
(ベクトルcvは、図で上向きのベクトルであるものとする)
(解答おわり)

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2019年8月1日木曜日

垂心の位置を外心を原点にした位置ベクトルで求める

以下は、ここをクリック先の問題の問2の解答です。

【問】
 原点Oを中心にした半径Rの円がある。その円上の3点A,B,Cが作る三角形の垂心の位置ベクトルHを求めよ。

【一番簡単な解き方の秘訣】
 (あるベクトルmとcとが互いに垂直であるという条件のある図形の問題を解くときは、
(1)それらのベクトルmとcを、互いに垂直な単位ベクトルxとyの合成であらわして(ただし、ベクトルxは、三角形の所定の辺の方向に平行。ベクトルyはその辺に垂直な方向を向く)、
(2)そして、ベクトルmとcが垂直である条件として内積が0であるというベクトル方程式を作って計算すると、
計算が一番簡単になります。)

 一方で、外心Oを原点にした基準ベクトルを使うと、その2つの基準ベクトルの和のベクトルが、その2つの基準ベクトルの差のベクトルに垂直になります(ひし形の対角線の直交の公式)。そのように容易に垂直なベクトルの組を作れるため、上記の場合と同様に、問題が解き易くなります。

【解答】

 ここで、上図の式のように、kとmの2つの未知数を用いて、垂心の位置ベクトルHを表す2通りのベクトルの合成を等しいものと表したベクトル方程式を作ります。(ここで、ひし形の対角線の直交の公式によって、辺に垂直なベクトルが容易に作れる)

  垂心のベクトルHを表す解の式は、点A,B,Cの位置ベクトルに関して対称になると考えられます。
そのため、上の方程式から、位置ベクトルA,B,Cに関して対称な式
位置ベクトル(A+B+C)
を引き算する、方程式の変形を行ないます。
上の方程式の計算によって、未知数kとmの値が定まり、複素数hを表す式が求められた。
(解答おわり)

(パラドックスの話)
この問題を以下の様に解析してみます。
先の解答によって、この位置ベクトルHが、位置ベクトルAとBとCの和として表されていました。
その解答を使うと、
という関係が成り立ちます。
この左右の式を合わせるために、とりあえず、
と置いてみます。
そのとき、左右の式の残りの項を比較すると、
となって、残りの項がどうしても一致しません。
式の左右が必ず等しくならなければならないハズなのに、
この矛盾はどうしたことでしょう??

ここで、ベクトルAとBとCは一次独立では無い。それなのに、一次独立なベクトルの間に成り立つ関係があるとしたところに誤りがあった。
ここで、ベクトルAは以下の式で表せます。
こうすると、位置ベクトルの表現には、下式のように、いくつものバラエティがあることがわかる。(ベクトルAとBとCが一次独立ではないので、そのようなバラエティがあるのは当然なことです)
例えば、以下の関係が成り立っていたとしたら、どうなるでしょうか。
このとき、
としたら、
という条件を加える事になります。
そうすると、ベクトルAが0ベクトルになるので、ベクトルAの係数が不定になって、
が成り立ってしまいます。
これが、矛盾(パラドックス)の原因でした。

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