2019年12月10日火曜日

ベクトルの外積(10)

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。
 
【問】以下の図で三角錐OACBと三角錐OACDがある。直線BDと面OACの交点をEとする。この場合に、比s=BE/BDを求めよ。

【解答】
 この問題はベクトル方程式を立てて解くことができます。そのベクトル方程式を解くことができる実力は必要です。しかし、ベクトル方程式を解くには時間を必要とします。
 以下では、ベクトルの外積を利用して、ベクトル方程式の解を一気に計算します。

(解答おわり)

上の解は、込み入った式ですので、ベクトル方程式を解いて解を求めた場合でも、その解を、上の式のようにベクトルの内積の形で表現した方が分かりやすくて良いと思います。

(おまけ)以下の関係があります。



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2019年12月9日月曜日

ベクトル:平行平面の利用

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問】以下の図の直線MNと直線FLの交点があれば、その交点Pを求めよ。

【解答】

(解答おわり)

 このような空間中の直線同士が交差するかどうかの判定問題は、上図のように、平行平面(面CFEと面DBA)を利用すると分かりやすくなります。

(覚えるポイント)
 交差する2直線は同一平面上にあります。
 そのため、その2直線が平行平面と交差する点同士を結んで作ったベクトルの方向は、平行する2平面では、同じ方向になります。
 2つの空間直線が面と交差する2点を結んで作ったベクトルの方向が、2つの平行平面で異なる方向を向いたならば、その2直線は交差しません。

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ベクトルの外積で面の法線ベクトルを求める

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問】以下の図で直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値を求め、その場合の交点Hの座標を求めよ。




【解1】
 空間直線の交点を求める問題は、いきなり2直線のベクトル方程式を立て、それを無理やり解くのは、計算の見通しが良くないので止めましょう。
 空間直線の交点を求める問題を解く場合は、先ず、交差する2直線が乗る平面の法線ベクトルを計算しましょう。
 そして、直線をその法線ベクトルに直交させる条件を求めることで、その2直線が交点を持つ条件を確定させて計算することが大切です。
 この法線ベクトルは、平面上のベクトルの外積を計算して求めます。
 先ず、以下のようにして、面OBCの法線ベクトルVを計算します。


 次に、この法線ベクトルVにベクトルGが直交する条件を求めます。法線ベクトルVにベクトルGが直交するなら、直線OGは面OBC上にあり、直線BCと交わります。
これで、直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値が求まったので、以下のようにして、この値をベクトルGの式に代入してベクトルGを定めます。

ベクトルGも定まったので、以下のようにベクトル方程式を立てて交点Hを求めます。
 その際に、空間ベクトルをYZ平面に射影して、その射影を見て計算します。
(その理由)
 同一平面上にある空間直線同士の交点を求める方程式は2つで十分であり、3次元ベクトルの計算で出てくる3つの方程式では方程式が1つ余分だから、射影を利用して、その余分な方程式を減らすためです。 

 
(解1おわり)

【解2】
 面OBCを水平面であると考え、点Gの水平面OBC上の高さを0にする条件を求めて、解を得ることにします。
(面OBCを水平面と考えて計算するので、計算の見通しの立て方が解1と同様です。)
 点GをベクトルBCの方向に移動しても、その点の水平面OBCに対する高さは変わりません。そのため、先ず、ベクトルOBからベクトルBCの所定倍数のクトルを引き算して、水平面OBCからの高さが同じベクトルを計算します。この計算では、ベクトルのy成分が0になるベクトルを残すようにします。

次に、そのベクトルから、ベクトルOCの所定倍数のクトルを引き算して、水平面OBCからの高さが同じベクトルを計算します。この計算では、ベクトルのz成分も0になるベクトルを残すようにします。

このベクトルの、水平面OBCからの高さが0になる条件は、このベクトルが0ベクトルになることです。その条件は、残ったベクトルのx成分が0になることであって、以下の計算で求められます。

これで、直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値が求まったので、以下のようにして、この値をベクトルGの式に代入してベクトルGを定めます。

このあとの計算は、解1と同じ計算をします。
(解2おわり)

 ここで、賢明な読者は気付かれたと思いますが、ベクトルOGを平面OBC上に定めた時点で、もうベクトル方程式を使わないでも交点Hの答えが得られるようになっています。
 すなわち、この問題では、直線BCはZ=1の平面上にありますから、ベクトルOGのZ座標が1になるようにベクトルOGを9倍すれば、交点Hの位置ベクトルが得られます。
 見通しの良い計算をすれば、単純な問題はこのように単純に解けるようになり、計算時間を節約できる効果があります。

【解3】
 解3は、ベクトルの外積を用いない解き方ですが、以下のように解くこともできます。

 先ず、直線BCと直線OGが交差する場合は、ベクトルBCとベクトルOGとそして、ベクトルOBが同一平面上にあります。その条件を使って以下のように解くことができます。

ベクトルBCとベクトルOGとベクトルOBは以下の式であらわせます。

そして、ベクトルOBとベクトルBCとベクトルOGが同一平面上にある条件は以下の式であらわせます。

この式(4)を以下のように解きます。

これで、直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値が求まったので、以下のようにして、この値をベクトルGの式に代入してベクトルGを定めます。

このあとの計算は、解1と同じ計算をします。
(解3おわり)

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