以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。
【問】以下の図で直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値を求め、その場合の交点Hの座標を求めよ。
【解1】
空間直線の交点を求める問題は、いきなり2直線のベクトル方程式を立て、それを無理やり解くのは、計算の見通しが良くないので止めましょう。
空間直線の交点を求める問題を解く場合は、先ず、交差する2直線が乗る平面の法線ベクトルを計算しましょう。
そして、直線をその法線ベクトルに直交させる条件を求めることで、その2直線が交点を持つ条件を確定させて計算することが大切です。
この法線ベクトルは、平面上のベクトルの外積を計算して求めます。
先ず、以下のようにして、面OBCの法線ベクトルVを計算します。
次に、この法線ベクトルVにベクトルGが直交する条件を求めます。法線ベクトルVにベクトルGが直交するなら、直線OGは面OBC上にあり、直線BCと交わります。
これで、直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値が求まったので、以下のようにして、この値をベクトルGの式に代入してベクトルGを定めます。
ベクトルGも定まったので、以下のようにベクトル方程式を立てて交点Hを求めます。
その際に、空間ベクトルをYZ平面に射影して、その射影を見て計算します。
(その理由)
同一平面上にある空間直線同士の交点を求める方程式は2つで十分であり、3次元ベクトルの計算で出てくる3つの方程式では方程式が1つ余分だから、射影を利用して、その余分な方程式を減らすためです。
(解1おわり)
【解2】
面OBCを水平面であると考え、点Gの水平面OBC上の高さを0にする条件を求めて、解を得ることにします。
(面OBCを水平面と考えて計算するので、計算の見通しの立て方が解1と同様です。)
点GをベクトルBCの方向に移動しても、その点の水平面OBCに対する高さは変わりません。そのため、先ず、ベクトルOBからベクトルBCの所定倍数のクトルを引き算して、水平面OBCからの高さが同じベクトルを計算します。この計算では、ベクトルのy成分が0になるベクトルを残すようにします。
次に、そのベクトルから、ベクトルOCの所定倍数のクトルを引き算して、水平面OBCからの高さが同じベクトルを計算します。この計算では、ベクトルのz成分も0になるベクトルを残すようにします。
このベクトルの、水平面OBCからの高さが0になる条件は、このベクトルが0ベクトルになることです。その条件は、残ったベクトルのx成分が0になることであって、以下の計算で求められます。
これで、直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値が求まったので、以下のようにして、この値をベクトルGの式に代入してベクトルGを定めます。
このあとの計算は、解1と同じ計算をします。
(解2おわり)
ここで、賢明な読者は気付かれたと思いますが、ベクトルOGを平面OBC上に定めた時点で、もうベクトル方程式を使わないでも交点Hの答えが得られるようになっています。
すなわち、この問題では、直線BCはZ=1の平面上にありますから、ベクトルOGのZ座標が1になるようにベクトルOGを9倍すれば、交点Hの位置ベクトルが得られます。
見通しの良い計算をすれば、単純な問題はこのように単純に解けるようになり、計算時間を節約できる効果があります。
【解3】
解3は、ベクトルの外積を用いない解き方ですが、以下のように解くこともできます。
先ず、直線BCと直線OGが交差する場合は、ベクトルBCとベクトルOGとそして、ベクトルOBが同一平面上にあります。その条件を使って以下のように解くことができます。
ベクトルBCとベクトルOGとベクトルOBは以下の式であらわせます。
そして、ベクトルOBとベクトルBCとベクトルOGが同一平面上にある条件は以下の式であらわせます。
この式(4)を以下のように解きます。
これで、直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値が求まったので、以下のようにして、この値をベクトルGの式に代入してベクトルGを定めます。
このあとの計算は、解1と同じ計算をします。
(解3おわり)
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【問】以下の図で直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値を求め、その場合の交点Hの座標を求めよ。
【解1】
空間直線の交点を求める問題は、いきなり2直線のベクトル方程式を立て、それを無理やり解くのは、計算の見通しが良くないので止めましょう。
空間直線の交点を求める問題を解く場合は、先ず、交差する2直線が乗る平面の法線ベクトルを計算しましょう。
そして、直線をその法線ベクトルに直交させる条件を求めることで、その2直線が交点を持つ条件を確定させて計算することが大切です。
この法線ベクトルは、平面上のベクトルの外積を計算して求めます。
先ず、以下のようにして、面OBCの法線ベクトルVを計算します。
次に、この法線ベクトルVにベクトルGが直交する条件を求めます。法線ベクトルVにベクトルGが直交するなら、直線OGは面OBC上にあり、直線BCと交わります。
これで、直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値が求まったので、以下のようにして、この値をベクトルGの式に代入してベクトルGを定めます。
ベクトルGも定まったので、以下のようにベクトル方程式を立てて交点Hを求めます。
その際に、空間ベクトルをYZ平面に射影して、その射影を見て計算します。
(その理由)
同一平面上にある空間直線同士の交点を求める方程式は2つで十分であり、3次元ベクトルの計算で出てくる3つの方程式では方程式が1つ余分だから、射影を利用して、その余分な方程式を減らすためです。
(解1おわり)
【解2】
面OBCを水平面であると考え、点Gの水平面OBC上の高さを0にする条件を求めて、解を得ることにします。
(面OBCを水平面と考えて計算するので、計算の見通しの立て方が解1と同様です。)
点GをベクトルBCの方向に移動しても、その点の水平面OBCに対する高さは変わりません。そのため、先ず、ベクトルOBからベクトルBCの所定倍数のクトルを引き算して、水平面OBCからの高さが同じベクトルを計算します。この計算では、ベクトルのy成分が0になるベクトルを残すようにします。
次に、そのベクトルから、ベクトルOCの所定倍数のクトルを引き算して、水平面OBCからの高さが同じベクトルを計算します。この計算では、ベクトルのz成分も0になるベクトルを残すようにします。
このベクトルの、水平面OBCからの高さが0になる条件は、このベクトルが0ベクトルになることです。その条件は、残ったベクトルのx成分が0になることであって、以下の計算で求められます。
これで、直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値が求まったので、以下のようにして、この値をベクトルGの式に代入してベクトルGを定めます。
このあとの計算は、解1と同じ計算をします。
(解2おわり)
ここで、賢明な読者は気付かれたと思いますが、ベクトルOGを平面OBC上に定めた時点で、もうベクトル方程式を使わないでも交点Hの答えが得られるようになっています。
すなわち、この問題では、直線BCはZ=1の平面上にありますから、ベクトルOGのZ座標が1になるようにベクトルOGを9倍すれば、交点Hの位置ベクトルが得られます。
見通しの良い計算をすれば、単純な問題はこのように単純に解けるようになり、計算時間を節約できる効果があります。
【解3】
解3は、ベクトルの外積を用いない解き方ですが、以下のように解くこともできます。
先ず、直線BCと直線OGが交差する場合は、ベクトルBCとベクトルOGとそして、ベクトルOBが同一平面上にあります。その条件を使って以下のように解くことができます。
ベクトルBCとベクトルOGとベクトルOBは以下の式であらわせます。
そして、ベクトルOBとベクトルBCとベクトルOGが同一平面上にある条件は以下の式であらわせます。
この式(4)を以下のように解きます。
これで、直線BCと直線OGが交差する場合のパラメータbの値が求まったので、以下のようにして、この値をベクトルGの式に代入してベクトルGを定めます。
このあとの計算は、解1と同じ計算をします。
(解3おわり)
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