2024年7月29日月曜日

最後の赤玉を取り出したとき白玉が5個残る確率

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】
 赤玉5個と白玉10個が入っている袋の中から無作為に1個ずつ取り出す。取り出した玉は袋に戻さない。
 5個目の赤玉が取り出されたとき、袋の中に残っている白玉が5個である確率を求めよ。

【解1】
求める確率=
(9回目までに赤4個と白5個が出る確率)(1/6)
である。

9回目までに赤4個と白5個が出る事象の連鎖には
(赤,赤,赤,赤,白,白,白,白,白)
がある。
その場合の確率=

である。

いろいろな場合を考えると、
白5つと赤4つの順がどうであっても、
その順列の確率=

になる。

一方で、
(赤,赤,赤,赤,白,白,白,白,白)
のあらゆる並び方の数は、

である。

以上の結果を合わせると、
求める確率=

である。
(解1おわり)

【解2】
 15個全部並べた順列の左から順に取ることにする。
右の6個が、赤、白、白、白、白、白になる順列が作られる確率を求めれば良い。
その確率は、
順列の右から順に、白、白、白、白、白、赤、・・・
になる順列が作られる確率と同じである。
順列の右から順に、白、白、白、白、白、赤、・・・
となる順列の確率=

である。
(解2おわり)

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2024年7月17日水曜日

板の裏返しの数の確率

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】
 6枚のカードがあり、片面は白色が、もう片面には黒色が塗られている。これら6枚のカードを、白の面を表にしてよこ一列に並べておく。一個のさいころを投げ、nの目が出たら、左からn番目のカードをうらがえす。(n=1、2、3、、、6) このことを1回の試行とする。この試行を4回続けて行った後、黒色の面が表になったカードの枚数をxとする。
x=2
となる確率を求めよ。

【解答】 
 先ず、下図のように左から右に樹形図を書いて問題を整理して、1回目の施行から4回目の施行までの確率を順次に網羅的に地道に計算する。

 この樹形図の各枝は、事象の確率の太さを持つ。この樹形図は、枝を束ねた合流点の節を持つ。合流点の節では、その合流点の事象に至る樹形図の枝の確率の和の太さになる。
 上図の樹形図に、分岐した枝の太さ(確率)と合流点の節の太さ(確率)の①から⑪を地道に計算する。
 ここで、合流点の節から分岐する2つの枝の事象の確率は、どこから合流点に至ったかにかかわらず、その合流点の節での黒面の数 x にのみ依存する。
 サイコロの目が合流点の節での黒面のカード番号と同じ番号ならばそのカードが裏返されて白面になり黒面の数xが減る。
そう分岐する確率はx/6である。
 サイコロの目が合流点の節での白面のカード番号と同じ番号ならばそのカードが裏返されて黒面になり黒面の数xが増える。
そう分岐する確率は(6-x)/6である。

 こうして枝の確率を地道に書いていくと、
上図に付記した式①から⑪の式で確率が計算できる。
上図の⑪の式が求めるx=2になる確率であり、
35/54
である。
(解答おわり)

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2024年7月12日金曜日

ベクトルAとBに対し90度と角度θを成すベクトル

このページは、ここをクリックした先の問題の解答をあらわす。

【問題1】
  x軸の正の向きとのなす角が30°で、ベクトルa=(0,1,-1)に垂直な単位ベクトルを求めよ。

【解答】
 x軸の正の向きのベクトルをベクトルb=(1,0,0)とする。ベクトルbはベクトルaに垂直である(x軸はベクトルaに垂直である)。
 先ず、下図に示すように、ベクトルaに垂直で、かつ、ベクトルbに垂直なベクトルDを求める。ベクトルaとベクトルbとベクトルDとは互いに垂直である。
 
 そして、ベクトルa=(0,1,-1)に垂直で、x軸の正の向きとのなす角が30°のベクトルHを、上式のように、ベクトルaに垂直なベクトルbとベクトルDの合成ベクトルで表す。その式のベクトルHはベクトルbを含む。また、ベクトルbはX軸の正の方向を向いているので、ベクトルHとX軸の正の方向のベクトル(ベクトルb)とのなす角は90°以下である。

 また、ベクトルbとベクトルaに垂直なベクトルDは、以下の式のように外積の計算で求める。


 そして、ベクトルbとベクトルHが角度θ=30°を成す以下の方程式を解いてベクトルHの方向を定める。


このベクトルHを単位ベクトルに変換する。

この単位ベクトルが、求める単位ベクトルである。
(解答おわり)

【問題2】
 以下の図のベクトルAに対し90度の方向を向き、ベクトルBに対し60度の角度、又はその逆方向(120度の角度)を向くベクトルHを求めよ。
(ベクトルHは、ベクトルBに対し60度の角度を成すものでも、又は、その方向が逆向きの120度の角度を成すベクトルでも、どちらの方向でも良いものとする)

【解1】
 下図のように、ベクトルBを、ベクトルAに平行するベクトルと、ベクトルAに垂直なベクトルCとに分解する。
 また、ベクトルAとベクトルBに垂直なベクトルDを求める。

 求めるべきベクトルHは、上の式のように、ベクトルCとベクトルDの合成ベクトルで表す。そのベクトルHは、ベクトルCを含み、それ以外のベクトルの成分はベクトルCに垂直な方向を向いているので、ベクトルHとベクトルBのなす角は90°以下である。そのベクトルHを(-1)倍したベクトル(-H)は、ベクトルBとのなす角が90°以上ある。

 ベクトルCは以下の式で計算する。

 ベクトルDは、以下の式の外積の計算で求める。

 そして、ベクトルBとベクトルHが角度θ=60°を成す方程式を解いてベクトルHを定める。


このベクトルH’が、求めるベクトルである。
(解1おわり)

《補足1》
 この種の問題は、ベクトルBとベクトルHのなす角度θの設定値によっては、解が無い場合がある。例えば、ベクトルAとベクトルBが垂直ではない場合に、ベクトルBとHのなす角θの値が極めて0に近い場合は、ベクトルHがベクトルAに垂直になることが不可能になる。
(補足1おわり)

【解2】

 ベクトルHに関して、以下の式(1)と式(2)が成り立つ。
θは60度又は120度の角度である。

 解2の解き方は、先ず、ベクトルAに垂直なベクトルを2つを求め、その2つのベクトルの和でベクトルHをあらわして、ベクトルHを求める、という解き方をする。

 そのために、ベクトルAに垂直な、以下の2つのベクトルmとnを考える。

(補足2:2つのベクトルmとnの別の表し方)
 ベクトルAに垂直な2つのベクトルmとnは、以下の様に表すこともできる。


(補足2おわり)

 この2つのベクトルmとnは、どちらもベクトルAに垂直である。そのため、式(1)を満足する、ベクトルAに垂直な全てのベクトルHを、係数sとtを使って以下の式であらわすことができる。

(1)ただし、ベクトルnが、ベクトルBに対し60度又は120度の角度を成す条件を満足するベクトルであったならば、求めるベクトルHを定める係数 s=0 である。

(2)そうで無ければ、s≠0であり、
以下の式(3)で、未知の係数kを使って求めるベクトルHをあらわすことができる。
(ただし、逆方向のベクトルを表すには負の値の係数を掛け算する必要があり、大きさの異なるベクトルを表すにはその大きさの比の係数を掛け算する必要がある。)

以下のように、式3であらわすベクトルHを式2に代入して、ベクトルHを求める。
この式4の両辺を二乗する。
これで未知の係数kが求められたので、このkを式3に代入して求めるベクトルHを計算する。
このベクトルHは、ベクトルAに対し90度、ベクトルBに対し60度又は120度の角度を成す
(解2おわり)

《研究》
 解2では、ベクトルAに垂直な2つのベクトル同士は互いに垂直であるというわけではなかった。ここでは、ベクトルA方向の軸を持つ直交座標系の、ベクトルAに垂直な他の軸方向の(互いに垂直な)ベクトルVとW(単位ベクトル)を、(ベクトルの外積計算を利用せずに)求める方法を研究する。



このベクトルVとWを合成することで、ベクトルAに垂直な全てのベクトルを作ることができる。それらの直交ベクトル系を使うと、いろいろな問題が解き易くなる。

《補足3》
 解1と解2は、解がかなり異なる形をしているが、同じ解(正負が逆ではあるが)をあらわしている。解1の方が、解答の見通しが良いので、より良い解答である。

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