2021年7月19日月曜日

組に区別なく人数指定なく(各人を区別できる)人を組分けする数と組分け問題の本質

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】
(各人を区別できる)9人を、(人数指定なく、組の区別なく)3つの組に分ける組み合わせは何通りあるか。

【問2】
(各人を区別できる)9人を、(各組に1人以上は入れて、組の区別なく)2つの組に分ける組み合わせは何通りあるか。

【問3】
(各人を区別できる)9人を、(各組に1人以上は入れて、組の区別なく)3つの組に分ける組み合わせは何通りあるか。

【問4】
(各人を区別できる)9人を、(各組に1人以上は入れて、組の区別なく)4つの組に分ける組み合わせは何通りあるか。

【問5】
(各人を区別できる)9人を、(人数指定なく、組の区別なく)4つの組に分ける組み合わせは何通りあるか。

【考察】《組分け問題の本質の数学構造を理解する》
 組分け問題を深く考えることで、組分け問題の底に隠されている本質の数学の構造が見えてくる面白さがあります。そういう面白さを見つけるように数学を学ぶのが楽しいことだと思います。


以下、各問毎に解答する。
【問1】
(各人を区別できる)9人を、(人数指定なく、組の区別なく)3つの組に分ける組み合わせは何通りあるか。

【解答】
 先ず、(各人を区別できる)9人を、(人数指定なく)A,B,Cに区別した3つの組に分ける事を考える。
その組み合わせの数は、


通りある。
 ここで、
(1)(各人を区別できる人を)A組1人以上、B組1人以上、C組1人以上の場合での、ある1つの組分けは、
組の名前を入れ替えると、3!の異なる組分けができる。

組の区別が無い場合の組み分けの区別の仕方は、組に入っている人を基準にして組み分けを区別する。ある人1が入っている組を1組とし、ある人2が入っている組を2組とし、ある人3が入っている組を3組とする。その各組の成員が同じ人であれば同じ組み分けであるとする。成員が異なれば異なる組み分けであるとする。
(2)A組0人、B組1人以上、C組1人以上の場合での、ある1つの組分けも、
組の名前を入れ替えると、3・2=3!の異なる組分けができる。
(3)しかし、A組0人B組0人C組9人の場合の、1つの組分けは、
組の名前を入れ替えても、3つの組分けができるだけである。

なぜなら、組が区別される場合においても、上の組み分けの0人のA組と0人のB組を入れ替えても同じ組み分けにしかならないからである。組を区別する場合では、人が入っている組ならば、組の名前を替えれば、異なる組分けになる。しかし、人が0人の組同士の名前を入れ替えても、異なる組み分けには成らない。組の名前を変えることで組分けが変わるのは、人が1人以上いる組の名前を変える場合にのみ有効なことである。

 そのため、組の名前を入れ替えることで出来る複数の組分けは1つの組分けであるものとすることで、組の区別なく3つの組に分ける組み合わせの数は、
以下の数になる。


(解答おわり)

【問2】
(各人を区別できる)9人を、(各組に1人以上は入れて、組の区別なく)2つの組に分ける組み合わせは何通りあるか。

【解答】
(0)先ず、9人を、(人数指定なく0人もOK)A,Bに区別した2つの組に分ける事を考える。
その組み合わせの数は、


通りある。
 ここで、
(1)A組1人以上、B組1人以上の場合での、ある1つの組分けは、
組の名前を入れ替えると、2!の異なる組分けができる。
 この場合の、組の区別を無くした組分けの数が求める組分けの数である。
(2)一方、A組0人B組9人の場合の、1つの組分けは、
組の名前を入れ替えると、2つの組分けができる。

 組の名前を入れ替えることで出来る複数の組分けを1つの組分けであるものとすることで、組の区別なく、1組には1人以上入れた2つの組に分ける組み合わせの数を求める。それは、(1)の場合の、組の区別を無くした組分けの数である。
その計算は、(0)の場合から、(2)の場合を引き算して、それを2!で割り算することで求められる。


(解答おわり)

【問3】
(各人を区別できる)9人を、(各組に1人以上は入れて、組の区別なく)3つの組に分ける組み合わせは何通りあるか。

【解答】
(0)先ず、9人を、(人数指定なく0人もOK)A,B,Cに区別した3つの組に分ける事を考える。
その組み合わせの数は、


通りある。
 ここで、
(1)A組1人以上、B組1人以上、C組1人以上の場合での、ある1つの組分けは、
組の名前を入れ替えると、3!の異なる組分けができる。
 この場合の、組の区別を無くした組分けの数が求める組分けの数である。
(2)A組0人、B組1人以上のn人、C組9-n人の場合での、ある1つの組分けも、
組の名前を入れ替えると、3!の異なる組分けができる。
(3)しかし、A組0人B組0人C組9人の場合の、1つの組分けは、
組の名前を入れ替えても、3つの組分けができるだけである。
 なぜなら、組が区別される場合において、上の組み分けのA組とB組を入れ替えても同じ組み分けにしかならないからである。組を区別する場合では、人が入っている組の名前を替えれば、異なる組分けになる。しかし、人が0人の組同士の名前を入れ替えても、異なる組み分けには成らない。組の名前を変えると組分けが変わるのは、人が1人以上いる組の名前を変える場合のみである。

 組の名前を入れ替えることで出来る複数の組分けは1つの組分けであるものとすることで、組の区別なく、1組には1人以上入れた3つの組に分ける組み合わせの数を求める。その数を以下の様にして計算する。
(0)の場合から、(3)の場合を引き算して、それを3!で割り算することで組の区別を無くした組分けの数を求める。
その数から、(2)の場合の数を引き算することで、(1)の場合の組の区別を無くした組分けの数が求まる。(2)の場合の数は、問2の解で得られている。

 よって、(各人を区別できる)9人を、(各組に1人以上は入れて、組の区別なく)3つの組に分ける組み合わせの数は、(1)の場合の組の区別を無くした組分けの数であり、それは、以下の計算で求められる。

(解答おわり)

【問4】
(各人を区別できる)9人を、(各組に1人以上は入れて、組の区別なく)4つの組に分ける組み合わせは何通りあるか。

【解答】
(0)先ず、9人を、(人数指定なく)A,B,C,Dに区別した4つの組に分ける事を考える。
その組み合わせの数は、


通りある。
 このうち、A組1人以上、B組1人以上、C組1人以上、D組1人以上の4つの組に分ける場合での、ある1つの組分けは、組の名前を入れ替えると、4!の異なる組分けができる。この場合の、組の区別がある組み分けの数を4!で割り算して組の区別を無くした組分けの数が求める解である。
 そのため、組の区別がある組み合わせの全てから、順に、1人以上が組に入る、4つ未満の組への組み分けの数を引き算して、残った組み分けの数を4!で割り算すれば求める組み分けの数が得られる。
 先ず、以下の(組の区別がある)組み分けの数を考える。
(1)1組にのみ全員が組分けされ、残りの3組が0人の場合は、その1つの組み分けは、その4組の組の名前を入れ替えると、4つの異なる組み分けができる。この場合に組み分けの総数は、以下の数ある。ただし、A1は組の区別が無い場合の1組にのみ組み分けされる組み分けの数である。


(2)1人以上を持つ2組にのみ全員が組分けされ、残りの2組が0人の場合は、そのうちの1つの組み分けは、その4組の組の名前を入れ替えると、4*3の異なる組み分けができる。この場合の組み分けの総数は、以下の数ある。ただし、A3は、組の区別が無い場合の2組にのみ組み分けされる組み分けの数である。

(3)1人以上を持つ3組にのみ組分けされ、残りの1組が0人の場合は、そのうちの1つの組み分けは、その4組の組の名前を入れ替えると、4*3*2の異なる組み分けができる。この場合の組み分けの総数は、以下の数ある。ただし、A3は、組の区別が無い場合の3組にのみ組み分けされる場合の数である。

(4)よって、(組の区別がある場合の)1人以上を持つ4組にのみ組分けされた場合の数は、(0)の場合から、(1)から(3)の場合の数を引き算した数がある。
 そして、その場合において、組の区別を無くした組分けの場合の数A4は、その数を4!で割り算することで得られ、以下の数がある。



(解答おわり)
 ここで、(組の区別を無くした場合での)1人以上を持つ1組のみへの組分けの場合の数から、2組のみ、3組のみ、4組のみへの組分けの数の解を列挙すると以下の式で表される。


 上の式を詳細に計算すると以下の式で表される。


【問5】
(各人を区別できる)9人を、(人数指定なく、組の区別なく)4つの組に分ける組み合わせは何通りあるか。

【解答】
 先ず、9人を、(人数指定なく)A,B,C,Dに区別した4つの組に分ける事を考える。
その組み合わせの数は、


通りある。
 ここで、
(1)A組1人以上、B組1人以上、C組1人以上、D組1人以上の場合での、ある1つの組分けは、
組の名前を入れ替えると、4!の異なる組分けができる。組の区別が無い場合の組み分けの区別の仕方は、組に入っている人を基準にして組み分けを区別する。ある人1が入っている組を1組とし、ある人2が入っている組を2組とし、ある人3が入っている組を3組とし、ある人4が入っている組を4組とする。その各組の成員が同じ人であれば同じ組み分けであるとする。成員が異なれば異なる組み分けであるとする。
(2)A組0人、B組1人以上、C組1人以上、D組1人以上の場合での、ある1つの組分けも、
組の名前を入れ替えると、4・3・2=4!の異なる組分けができる。
(3)しかし、A組0人B組0人、C組1人以上、D組1人以上の場合の、1つの組分けは、
組の名前を入れ替えても、4・3=12の組分けができるだけである。なぜなら、組が区別される場合においても、上の組み分けの0人のA組と0人のB組を入れ替えても同じ組み分けにしかならないからである。組を区別する場合では、人が入っている組ならば、組の名前を替えれば、異なる組分けになる。しかし、人が0人の組同士の名前を入れ替えても、異なる組み分けには成らない。組の名前を変えることで組分けが変わるのは、人が1人以上いる組の名前を変える場合にのみ有効なことである。
(4)また、A組0人B組0人、C組0人、D組1人以上の場合の、1つの組分けは、
組の名前を入れ替えても、4つの組分けができるだけである。なぜなら、組が区別される場合においても、上の組み分けの0人のA組と0人のB組と0人のC組を入れ替えても同じ組み分けにしかならないからである。組の名前を変えることで組分けが変わるのは、人が1人以上いる組の名前を変える場合にのみ有効なことだからである。

(5)そのため、組の名前を入れ替えることで出来る複数の組分けは1つの組分けであるものとすることで、組の区別なく4つの組に分ける組み合わせの数は、以下の手順で求める。
(5-1)先ず、(4)の場合の、(組の区別が無く)1組にのみ全員を入れる組分けの数C1を求める。
(5-2)次に、(3)の場合の、(組の区別が無く)2組にのみ(各組に1人以上入れて)全員を入れる組分けの数C2を求める。
(5-3)次に、9人を、(人数指定なく)A,B,C,Dに区別した4つの組に分ける組み合わせの数から、C1・4を引き算し、更に、C2・4・3を引き算する。その値を4!で割り算して組の区別を無くした数に、C1とC2を足し算する。その値が、求めるべき、(各人を区別できる)9人を、(人数指定なく、組の区別なく)4つの組に分ける組み合わせの数である。
C1=1組である。
C2は、問2の解で得られている。


よって、以下の数で計算できる。

(解答おわり)

【考察】《組分け問題の本質の数学構造を理解する》
 組分け問題を深く考えることで、組分け問題の底に隠されている本質の数学の構造が見えてくる面白さがあります。そういう面白さを見つけるように数学を学ぶのが楽しいことだと思います。

 以下で、問5の解答の考え方を(人数を変えて)検算します。
▷人数が2人の場合は:


この答えは合っている。
▷人数が3人の場合は:


この答えは合っている。
▷人数が4人の場合は:


この答えも合っている。

 なお、組名が区別されている組分けの数には、以下の数学的構造がある。





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2021年7月18日日曜日

条件付き確率の計算例題3

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】
 3つの箱A,B,Cがある。Aの中には赤玉3個と白玉2個が、Bの中には赤玉3個と白玉4個が入っている。まず、A,B からそれぞれ1個ずつ玉を取りだして、空箱Cにいれる。次に、Cから1個取りだした玉が赤であっ たとき、それがAから取りだした赤玉である確率を求めよ。(九州工業大)


【解答】
以下の樹形図を書いて問題を分析する。

その結果、求める条件付き確率は以下の計算で求められる。

(解答おわり)

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2021年3月5日金曜日

内角が二等分される点の軌跡

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】
原点をOとするxy平面上に点A(-2,0)と点B(1,0)がある。∠OPA=∠OPBを満たす点Pの軌跡を求めよ。(ただし、∠OPA=0の場合も含めること)



【解答その1】

∠OPA=∠OPB=θとする。そのとき、直線OP上の点Aの高さと点Bの高さの比は、a:bで一定である(a=2,b=1)。
すなわち、以下の式が成り立つ。



(注意)この式は、点Pが原点Oに重なってしまい辺OPが1点になってしまう場合にも成り立つ。しかし、その場合は、その1点に替わってしまった「辺」の方向が考えられないので、問題の条件が成り立っていない。この式は、そのように、問題の条件が成り立たなくなっている点Pに対しても成り立つ式である。

この式は以下の様に解ける。



この式1と式2の解がある。
(第1の解)式1のθ=0の解は、点Pが直線AB上の、辺ABの外にある(点Aと点Bは含まない)場合にθ=0になる。これが、第1の解である。

点Aの位置に点Pが来ると、辺APが1点になってしまう。その場合には、その「辺」の方向が考えられない。そのため、「辺」が1点になってしまう場合は解にはしない。点Bに点Pが重なる場合も同様。

(第2の解の考察)点AとBの間の(点Aと点Bは含まない)辺AB内の点Pについては、下図の様に、∠APB=180°であって、辺ABに垂直な線がその角を二等分する。


この図の点P=原点Oとして、∠APO=∠BPO=90°となると考えても良さそうに思う。しかし、点P=原点Oというように辺POが1点に重なってしまう場合には、すなわち、辺OPが1点になってしまう場合には、その「辺」の方向が考えられない。そのため、「辺」が1点になってしまう場合は解にはしない。

(第3の解)
以下で式2による第3の解を計算する。



この式は(2,0)を中心にした半径2の円であり、原点Oを通る。
 逆に、(2,0)を中心にした半径2の円上の点Pは全て、問題の条件を満足するかを考える。
 ここで、点Pが原点Oに重なってしまい辺OPが1点になってしまう場合には、その「辺」の方向が考えられない。そのため、「辺」が1点になってしまう、点Pが点Oに重なる場合は解にしない。

この第1の解と第3の解の軌跡を以下の図に赤線で示す。


(解答その1おわり)

【解答その2】
∠OPA=∠OPB=θとする。そのとき、余弦定理から、以下の2つの式が成り立つ。


この式(1)と(2)から角度θを消去する。

ここで、この式を整理するために、以下の2つの式を用いる。

この2つの式を先の式に代入する。


この2つの解のうち、問題の条件を満足する解を抽出する。
(第1の解) 直線y=0、すなわち、直線ABの場合:
逆に、直線y=0上の点は全て、問題の条件を満足するかを考える。
ここで、点Pが直線AB上の、辺ABの外にある(点Aと点Bは含まない)場合にθ=0になり、問題の条件を満足する。しかし、辺ABの中に点Pがある場合は、問題の条件が満足されない。

(第2の解)


この式は(2,0)を中心にした半径2の円であり、原点Oを通る。
 逆に、(2,0)を中心にした半径2の円上の点Pは全て、問題の条件を満足するかを考える。
 ここで、点Pが原点Oに重なってしまい辺OPが1点になってしまう場合には、その「辺」の方向が考えられない。そのため、「辺」が1点になってしまう、点Pが点Oに重なる場合は解ではない。

以上の第1の解と第2の解の軌跡は解答1と同じであり解答1で示した図の軌跡を描く。
(解答その2おわり)

【補足】
 解答その2の計算が大変であって、解答その1の計算が楽だった、という解答の難易度の差が出たのは、三角形の内角の二等分線にかかわる関係式が多く 存在しているため、解答その1のように、最終解答の式に近い式を使った方が計算が楽だったからだと考えます。

【解答その3】
以下の図のような複素数平面の図を利用して問題を解きます。


辺OZが頂角Aを二等分することを表す、複素数平面の方程式を書く。

この方程式で、
z≠0, z≠a, z≠b,
z=x+yi
である。
(注意)この方程式は、角度θを2倍して比較する式である。そのため、∠OZAが180°の場合、それを2倍して360°、すなわち、0°と同等の角度として角度を比較している。そのため、この方程式は角度180°と角度0°を区別しない。しかし、その場合には問題の条件が成り立っていない。この式は、そのように、問題の条件が成り立たなくなっている点zに対しても成り立つ式である。

この方程式を以下で変形する。



(第1の解) 直線y=0、すなわち、直線ABの場合:
逆に、直線y=0上の点は全て、問題の条件を満足するかを考える。
ここで、点Pが直線AB上の、辺ABの外にある(点Aと点Bは含まない)場合にθ=0になり、問題の条件を満足する。しかし、辺ABの中に点Pがある場合は、問題の条件が満足されない。

(第2の解) (2,0)を中心にした半径2の円であり、原点Oを通る。
ただし、
z≠0, z≠a, z≠b,
を満足するために、この円から原点Oを除く。
(解答その3おわり)

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2020年12月5日土曜日

さいころの目で作る直線の方程式

この問題は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】
1個のさいころを3回なげる。そのさいころの目の数を順にa,b,cとする。
そのさいころの目の数を使って直線の方程式:
ax+by=c,
を作る。
この直線の方程式は、係数をk倍した直線の方程式:
akx+bky=ck,
と同じになります。
k≠1とした係数ak,bk,ckがさいころの目には当てはまらない場合の確率を求めよ。

【解答(その1)】
(a,b,c)の係数のどれかが4以上の数であって、しかも、a,b,c が同じ整数で割り切れない場合に、k≠1とした係数ak,bk,ck,がさいころの他の目の数では表されない場合になる。
そういう場合の数を以下の様にして数え挙げる。

(a,b,c)の係数のどれかが5である場合の数を数える。
5が3つの
(a,b,c)=
(5,5,5)は、
全係数が5で割り切れるのでダメ。
(1)5が2つのみある場合を以下で数える。
5以外の数nは、1,2,3,4,6の5個がある。
(a,b,c)=
(5,5,n)が5組
(5,n,5)が5組
(n,5,5)が5組
合計3×5組ある。

(2)5が1つのみある場合を以下で数える。
5以外の数nとmを考える。nとmは同じ数であっても良い。
(5,n,m)が5×5=25組ある。
(n,5,m)が25組ある。
(n,m,5)が25組ある。
合計3×25組ある。

(3)5が1つも無い場合を以下で数える。

(3a)3が2つのみある場合を考える。
残りの1つの数nが、例えば1だった場合、全係数をk=2倍にしても6以下の数になるのでダメ。
残りの1つの数nは、4以上でなければならない。
残りの1つの数が6の場合は、3で割り切れるのでダメ。
残りの1つの数は4でなければならない。
(3,3,4)が1組
(3,4,3)が1組
(4,3,3)が1組
合計3組ある。

(3b)3が1つのみある場合を考える。
残りの2つの数nとmのどれかは必ず4以上の数で無ければならない。
しかし、n=m=6の場合は、全係数が3で割り切れるのでダメである。
それ以外なら良い。

(3b1)nが4の場合を考える。

(3b11)nが4であり、mが4の場合を考える。
(3,4,4)が1組
(4,3,4)が1組
(4,4,3)が1組
合計3組ある。

(3b12)nが4であり、mが1か2か6の場合を考える。
(3,n,m)が3組
(3、m、nが3組
(n、3、m)が3組
(m,3,n)が3組
(n,m,s)が3組
(m,n,3)が3組
合計3×2×3組=3×6組ある。


ここまでの樹形図を書くと以下の樹形図になる。

このように複雑な樹形図を考えているから、この計算は、とても間違えやすい。

(3b2)n及びmが4では無い場合(3でも無い)を考える。
係数の1つのnが6でなければならない。
残りの係数mが6の場合は、全係数が3で割り切れるのでダメ。
結局、mは1か2のみである。
(3,6、m)が2組
(6,3,m)が2組
(3,m,6)が2組
(6,m,3)が2組
(m、3,6)が2組
(m,6,3)が2組
合計3×2×2組=3×4組ある。

(3c)3が1つも無い場合を考える。
(a,b,c)の全部が偶数の場合は2で割り切れるのでダメ。
5でも3でも無い奇数1が1つは必要。
また、4か6かが1つは必要。

(3c1)奇数1が2つある場合
残りの係数nが4か6である。
(1,1,n)が2組
(1,n,1)が2組
(n,1,1)が2組
合計3×2組ある。

(3c2)奇数1が1つのみある場合

(3c21)残りの係数に2がある場合
最後の係数nは4か6でなければならない。
(1,2,n)が2組
(2,1,n)が2組
(1,n,2)が2組
(2,n,1)が2組
(n,1,2)が2組
(n,2,1)が2組
合計3×2×2=3×4組ある。

(3c22)残りの係数に2が無い場合
nは4か6、mも4か6
(1,n,m)が2×2=4組
(n,1,m)が4組
(n,m,1)が4組
合計3×4組ある。

《総合計》
3×(5+25+1+6+1+4+2+4+4)
=3×52=6×26

確率=6×26/6^3
=26/6^2
=13/(6×3)
=13/18
(答え)

【解答(その2)】
(a,b,c)の係数のどれかが4以上の数であって、しかも、a,b,c が同じ整数で割り切れない場合に、k≠1とした係数ak,bk,ck,がさいころの他の目の数では表されない場合になる。
そういう場合の数を、 そうならない場合の数を数え挙げることで求める。


 そうならない場合を数え上げる樹形図は以下の形に単純化されているので、数え間違いのリスクが減っている。


(1)
(a,b,c)の係数のどれもが4未満の1か2か3である場合
3×3×3=3×9通りある。

(2)
(a,b,c)の係数のどれかが4以上であって、a,b,c が同じ整数で割り切れる場合の数を以下で数える。

(2a)全ての係数が同じ値であって、その値で割り切れる場合
(a,b,c)=
(6,6,6)
(5,5,5)
(4.4.4)
合計3組ある。

(2b)全ての係数が同じでは無い場合

(2b1)3で割り切れる場合
(a,b,c)=
(6,6,3)
(6,3,6)
(3,6,6)
(6,3,3)
(3,6,3)
(3,3,6)
合計3×2組ある。

(2b2)3で割り切れないが2で割り切れる場合

(2b21)6がある場合

(2b211)6が2つある場合
(6,6,2)
(6,2,6)
(2,6,6)
(6,6,4)
(6,4,6)
(4,6,6)
合計3×2組ある。

(2b212)6が1つのみある場合

(2b2121)6以外の係数nが等しい場合
nが2か4である
(a,b,c)=
(6,n,n)2組
(n,6,n)2組
(n,n,6)2組
合計3×2組ある。

(2b2122)6以外の係数nとmが異なる場合
(a,b,c)=
(6,4,2)
(2,6,4)
(4,2,6)
(6,2,4)
(4,6,2)
(2,4,6)
合計3×2組ある。

(2b22)6が無い場合、
(4,4,2)
(4,2,4)
(2,4,4)
(4,2,2)
(2,4,2)
(2,2,4)
合計3×2組ある。

《総合計》
3×(9+1+2×5)
=60

確率=1-60/6^3
=1-5/18
=13/18
(答え)

【解答(その3)】
以下の重複事象統合樹形図を利用して、問題の場合の条件が成り立たない場合の数を、重複部を差し引いて数え上げる事で問題を解く。
すなわち、『(a,b,c)の係数のどれもが4未満の数であるか(その場合は、全係数を2倍以上にできる)、

又は、a,b,c が同じ整数で割り切れる場合』
の数を重複部を差し引いて数え挙げることで問題を解く。



(1)
(a,b,c)の係数のどれもが4未満の1か2か3である場合
3×3×3=27通りある。

(2)
(a,b,c)の係数のどれかが4以上であって、a,b,c が同じ整数で割り切れる場合の数を以下で数える。

(2a)全てが5で割り切れる場合
(5,5,5)の1組がある。

(2b)全てが3で割り切れる場合から、(3,3,3)を除外した数:
2×2×2-1=7通りある。

(2c)全てが2で割り切れる場合から、(2,2,2)と、全てが3でも割り切れる場合の(6,6,6)を除外した数:
3×3×3-2=25通りある。

《総合計》
27+1+7+25=60

確率=1-60/6^3
=1-5/18
=13/18
(答え)

(補足)
  この問題のように、解答(その3)の解き方の様に重複部を差し引く計算をすると簡単に解けるが、それ以外の解き方をすると計算が複雑になって間違え易いという設問、を多く見かけます。

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2020年12月2日水曜日

3次元ベクトルの分解の公式の証明

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【課題】
 以下の図の3次元ベクトルzを、3次元ベクトルaとbとcの方向のベクトルの和であらわす公式を導き出す。
 3次元ベクトルの分解の公式は、以下の図の平行6面体の体積比を使ってあらわせる。

(3次元ベクトルの分解の公式おわり)

【第1の証明】
(1)ベクトルaの方向の単位ベクトルをベクトルSとする。
(2)ベクトルaとベクトルbの張る平面上のベクトルで、ベクトルaに垂直な単位ベクトルをベクトルTとする。
(3)ベクトルSとベクトルTの外積をベクトルUとする。ベクトルUは単位ベクトルになる。
直交ベクトル系、S,T,Uで、ベクトルa,b,c,Zが以下の図のように表せる。


このとき、以下の式が成り立つ。

また、公式の右辺の各項が以下の式で表せる。

式5から6を合わせると以下の式が成り立つ。

(公式の第1の証明おわり)

【究極の方法】
 この証明から分かるように、問題を解くためにとても役にたつ方法は、このベクトルの分解の公式等を使うよりも、上図のように、ベクトルSとベクトルTとベクトルUによる直交座標系を導入することである。そうして、上の様に、ベクトルZをその直交座標系への成分に分解して問題を解く方が、問題を解くのに役に立つ。

【第2の証明】
ベクトルzはベクトルa,b,cを用いて以下の式であらわされる。

この式と、ベクトルaとbの外積ベクトルとの内積をとる。すると、ベクトルaとbの項が消えた式が得られるので、ベクトルcの係数pが求められる。

以上で各ベクトルの係数が求められたので、以下の式が得られた。

(第2の証明おわり)


リンク:
2次元ベクトルの合成の公式と分解の公式と2元連立方程式の解
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