これは、ここをクリックした先の問題の解答です。
なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)
【難問】放物線
y=x2 (式1)
について、互いに直交する2つの接線の交点は定直線上にあることを証明せよ。
(解答の方針)
放物線の接線の傾きy’は微分で求められる。
y’=2x (式2)
1つの接点をA(a,b)とすると、
接線の式は、
y-b=2a(x-a)
y-a2=2a(x-a) (式3)
もう1つの接点をB(c、d)とすると、
接線の式は、
y-d=2c(x-c)
y-c2=2c(x-c) (式4)
式3の接線と式4の接線が直交する条件は、
(2a)(2c)=-1 (式5)
また、式3の接線と式4の接線の交点をQ(x,y)とすると、
式3と式4の連立方程式が得られる。
y-a2=2a(x-a) (式3)
y-c2=2c(x-c) (式4)
この連立方程式と、接点の交差をあらわす式5とで全ての条件があらわされる。
(2a)(2c)=-1 (式5)
これらの式3~5は3つの式であるから、未知数を2つ消去した1つの式を作ることができる。
未知数aとcを消去すれば、残るのはxとyだけにかかわる式であり、
その式は曲線か直線のグラフをあらわす。
その式は、aとcがどう変化してもいつも変わらず成りたつ、xとyの関係である。
そのため、式3の接線と式4の接線の交点(x,y)は、その式があらわすグラフ上の点である。
実際に、そのグラフの計算方法を考える。
【注意点】
式3はaに関する二次関数であり、式4もcに関する二次関数であり複雑な式である。
このまま計算すれば、計算が複雑になると予測される。
そのため、工夫する必要がある。
【工夫点】
式3はaに関する式であるが、それは、cを求めるための式(解t=a,c)でもあると解釈する。
y-t2=2t(x-t)
t2-2tx+y=0
t2-2tx+y=(t-a)(t-c)=0 (式6)
そして、式3のtの解のaとcとの間には、式5の関係があると考える。
すなわち、式6の2つの解aとcの積は、式5から
ac=-1/4
式6の根と係数の関係から、
y=ac=-1/4 (式7)
よって、式6は、
t2-2tx-1/4=0
t2-1/4=2tx
t-1/(4t)=2x
x=(1/4){2t-1/(2t)}
x=(1/4){2c-1/(2c)} (式8)
よって、式7から、直交接線の交点Q(x,y)は、式7であらわされる直線上にあり、そのx座標は式8であらわされる。
このように、解答の方針を考えているうちに解答が出来上がってしまった。
そのため、以上を、解答とする。
(解答おわり)
リンク:
放物線の2つの接線が45°で交わる交点の軌跡
高校数学の目次
なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)
【難問】放物線
y=x2 (式1)
について、互いに直交する2つの接線の交点は定直線上にあることを証明せよ。
(解答の方針)
放物線の接線の傾きy’は微分で求められる。
y’=2x (式2)
1つの接点をA(a,b)とすると、
接線の式は、
y-b=2a(x-a)
y-a2=2a(x-a) (式3)
もう1つの接点をB(c、d)とすると、
接線の式は、
y-d=2c(x-c)
y-c2=2c(x-c) (式4)
式3の接線と式4の接線が直交する条件は、
(2a)(2c)=-1 (式5)
また、式3の接線と式4の接線の交点をQ(x,y)とすると、
式3と式4の連立方程式が得られる。
y-a2=2a(x-a) (式3)
y-c2=2c(x-c) (式4)
この連立方程式と、接点の交差をあらわす式5とで全ての条件があらわされる。
(2a)(2c)=-1 (式5)
これらの式3~5は3つの式であるから、未知数を2つ消去した1つの式を作ることができる。
未知数aとcを消去すれば、残るのはxとyだけにかかわる式であり、
その式は曲線か直線のグラフをあらわす。
その式は、aとcがどう変化してもいつも変わらず成りたつ、xとyの関係である。
そのため、式3の接線と式4の接線の交点(x,y)は、その式があらわすグラフ上の点である。
実際に、そのグラフの計算方法を考える。
【注意点】
式3はaに関する二次関数であり、式4もcに関する二次関数であり複雑な式である。
このまま計算すれば、計算が複雑になると予測される。
そのため、工夫する必要がある。
【工夫点】
式3はaに関する式であるが、それは、cを求めるための式(解t=a,c)でもあると解釈する。
y-t2=2t(x-t)
t2-2tx+y=0
t2-2tx+y=(t-a)(t-c)=0 (式6)
そして、式3のtの解のaとcとの間には、式5の関係があると考える。
すなわち、式6の2つの解aとcの積は、式5から
ac=-1/4
式6の根と係数の関係から、
y=ac=-1/4 (式7)
よって、式6は、
t2-2tx-1/4=0
t2-1/4=2tx
t-1/(4t)=2x
x=(1/4){2t-1/(2t)}
x=(1/4){2c-1/(2c)} (式8)
よって、式7から、直交接線の交点Q(x,y)は、式7であらわされる直線上にあり、そのx座標は式8であらわされる。
このように、解答の方針を考えているうちに解答が出来上がってしまった。
そのため、以上を、解答とする。
(解答おわり)
リンク:
放物線の2つの接線が45°で交わる交点の軌跡
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