2015年2月27日金曜日

極点から引いた円への接線の接点の位置ベクトルの一番簡単な計算

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問0】座標原点Oを中心にする半径1の円(x+y=1)に対して、点A(a,a)から引いた2つの接線の円との接点BとCの位置ベクトルを求めよ。

 先ず、この問題の円の中心Oから点A(a,a)までのベクトルを考えます。

 次に、この問題をもっと易しい問題に変換して解きます。

【問1】以下の点A(a,a)から引いた2つの接線の円との接点BとCの位置ベクトルを求めよ。

このように簡単化した問題は、すぐ上の式であらわしたベクトルmが点BとCをあらわす解があります。

 もう1つのやさしい問題を解きます。

【問2】
以下の点A(a,a)から引いた2つの接線の円との接点BとCの位置ベクトルを求めよ。
このようにベクトルOAの長さfが無限大の場合では、ベクトルOBは、その場合に値0を掛け算したベクトルmと、それに垂直なベクトルpの和の解になると解釈します。

 もう1つのやさしい問題を解きます。

【問3】
以下の点A(a,a)から引いた2つの接線の円との接点BとCの位置ベクトルを求めよ。

このようにベクトルOAの長さfが√2の場合では、ベクトルOBは、その場合に値が1/√2を掛け算したベクトルmと、それに垂直なベクトルpの何倍かの和の解になると解釈します。

 次に、以上で得られた解から、一般的な解を以下のように推測します。
上の式のように、ベクトルOBの公式をハッキリした式で推測しました。
 また、この推測の結果は、この公式を導き出すための基準にするベクトルはベクトルmとそれに垂直なベクトルpを基準にしたら良いと示唆するという重要な指針(計算のガイド)を含んでいます。
 
 これで得た公式は推測であって、本当にこの式になるかの確証があるわけではありません。
 しかし、これで、公式の答えを予測できたので、正式な計算で公式を計算する道しるべができたという意味があります。
 このように、答えを予測する計算は、初めて未知の問題を解くときに大切な一歩であり、必要な計算です。是非、答えの予測計算を心がけて欲しいと思います。

 次に、正式な計算方法でこの公式を求めます。
 

【一番簡単な解き方の秘訣】
 (あるベクトルOBとABとが互いに垂直であるという条件のある図形の問題を解くときは、
(1)それらのベクトルOBとABを、互いに垂直な単位ベクトルmとpの合成であらわして、
(2)そして、ベクトルOBとABが垂直である条件として内積が0であるというベクトル方程式を作って計算すると、
計算が一番簡単になります。)

 以下の図のような図を考えて、ベクトル方程式を解いてベクトルOBをあらわす公式を計算します。 


ここで、互いに直交するベクトルmとpと未知数sとtでベクトルOBをあらわす。

  ベクトルOBとベクトルABが直交するベクトル方程式を作って、それを解きます。

 このベクトルOBの式の形を整えるにあたって、先に予測した式になっているかを確かめながら、予測した式になるように式を変形しました。
 その結果、予測通りの式が得られました。
 この結果を使って、ベクトルOBが以下の図のようにあらわせます。

(計算を振り返ってどこが良かったかを考える)
 以上の計算で大事なポイントは、先に公式の解の形を予測してから正式な計算に取りかかった事でした。答えを予測してから正式な計算をしたことで、正式な計算が、「本当に予測通りの答えを導き出せるのか」という期待に背中を押されて計算できました。


 そして、式を計算していく過程で、どういう形の式に答えを導くべきかの目標がはっきりしているので、式を何に置き換えてまとめ上げるかの道に迷わず、答えを得ることができました。

 すなわち、先に予測していた事が、式を次にどのような形に変形したら良いかというガイドになりました。

 このガイドが無ければ、式の計算が最後の形にまで変形できなかったかもしれませんので、先に行なった解の推測の計算がとても大切な役割を果たしました。
  特に、先に行なった解の推測の計算は、問題を解くために、どのベクトルを基準にしたら良いかを示唆するという重要な指針を含んでいますので、問題を解くためにとても大切な役割を持っていました。

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