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任意の整数nに対するxの方程式が整数解を持つ問題は、nの絶対値が十分大きい場合を考えて解くと問題が解き易くなります。
【問題1】
aは実数の定数とする。任意の整数nに対する次のxの方程式が整数解を持つようなaの値をすべて求めよ。
【解答1】
この問題は、nの値毎に異なるxの整数解があり得ると考えつつ解く。また、この問題の条件は、式(1)が少なくとも1つの整数解を持つだけで良いとみなして解く。
先ず、n=0 の場合を考える。
その場合は、 3x+a=0
が成り立つ。
そのため、xが整数解を持つために、aが(0を含む)3の倍数でなければならない結論を得る。 (第0の条件)
|n|が十分に大きい場合を考える。
(1)より、
|n|が十分に大きい場合に、有限の値のxの解があるならば、上の式(2)は以下の式に収束する。
nの絶対値が十分に大きい場合には、式(2)の解は以下の値程度になると計算できる。
式(2)のこの解は、有限の値のxの解を持つ。また、この解は、式(3)の整数解とわずかしか異なることができない。その式(2)が1つの整数解を持つ場合は、その1つの整数解は、式(3)の2つの整数解のいずれか1つの整数解にしか成り得ない。式(3)のxの整数解は、
x=0,ー1
の2つがある。
(第1の解)式(2)がx=0 の整数解を持つ場合は、a=0 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
(第2の解)式(2)がx=-1 の整数解を持つ場合は、a=3 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
いずれの場合でも、式(2)の第1項と第2項の和が式(3)の左辺と同じなので、式(2)が式(3)の解のうちの1つを持つ場合は、第1項と第2項の和が0になる。また、そのときに式(2)が0になるため、残りの第3項も0になる。それは、以下の式(4)の条件が成り立つことを意味する。その式(4)によって a の解が定まる。
このように、|n|が十分に大きい場合に対して、aの解が得られた。
このaの解は、整数nの絶対値が十分に大きい場合に限らず、nがどの整数値の場合でも、nが0の場合でも、xの解を整数値にすることができるaの解である。
すなわち、a=0 又は a=3
(解答1おわり)
【解答2】
この問題は、nの値毎に異なるxの整数解があり得ると考えつつ解く。また、この問題の条件は、式(1)が少なくとも1つの整数解を持つだけで良いとみなして解く。
先ず、n=0 の場合を考える。
その場合は、 3x+a=0
が成り立つ。
そのため、xが整数解を持つために、aが(0を含む)3の倍数でなければならない結論を得る。 (第0の条件)
|n|が十分に大きい場合を考える。
(1)より、
|n|が十分に大きい場合に、(1+(3/n))が1に収束するので、上の式(2)は以下の式に収束する。
そのため、式(2)の解は、|n|が十分に大きい場合にこの収束した式の解に近い解を持つ。その解が整数解を持つならば、この収束した式の整数解の、x=0、または、x=ー1を解に持つ可能性がある。
(第1の解)式(2)がx=0 の整数解を持つ場合は、式(2)にx=0を代入する。
a=0 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
(第2の解)式(2)がx=-1 の整数解を持つ場合は、式(2)にx=-1を代入する。
a=3 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
このように、|n|が十分に大きい場合に対して、aの解が得られた。
このaの解は、整数nの絶対値が十分に大きい場合に限らず、nがどの整数値の場合でも、nが0の場合でも、xの解を整数値にすることができるaの解である。
すなわち、a=0 又は a=3
(解答2おわり)
【解答3】
先ず、n=0 の場合を考える。
その場合は、 3x+a=0
が成り立つ。
そのため、xが整数解を持つために、aが(0を含む)3の倍数でなければならない結論を得る。 (第0の条件)
|n|が十分に大きい場合を考える。
(1)より、
nの絶対値が十分に大きい場合には、式(2)の解は以下の値程度になると計算できる。
式(2)のこの解は、有限の値のxの解を持つ。この解は、|n|が十分に大きい場合に整数解を持つならば、x=0、または、x=ー1を解に持つ可能性がある。
(第1の解)式(2)がx=0 の整数解を持つ場合は、式(2)にx=0を代入する。
a=0 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
(第2の解)式(2)がx=-1 の整数解を持つ場合は、式(2)にx=-1を代入する。
a=3 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
このように、|n|が十分に大きい場合に対して、aの解が得られた。
このaの解は、整数nの絶対値が十分に大きい場合に限らず、nがどの整数値の場合でも、nが0の場合でも、xの解を整数値にすることができるaの解である。
すなわち、a=0 又は a=3
(解答3おわり)
(補足1)
論点を明確にする解をつきつめた結果、解答3の方が、解答1よりも単純かつ明快な解答になった。解答1の論理を工夫して解答2が作れた。解答2の方が解答3よりも単純な解答になった。
(補足2)
この問題で、式(2)が1つの整数解を持っても、式(2)のもう1つの解は整数解ではなく、それはnに依存する解になることに注意すべき。式(2)の解はnに依存する解である。定数aを定めると、式(2)の解のうちの1つを整数解にするだけである。定数aの値を所定の値にすると式(2)の全ての解が整数解になるという解釈は間違っている。
(補足3)
nの値毎に異なるxの整数解があり得ると考えつつ解いたが、xの整数解がnの関数になるということは起こらなかった。そのかわり、整数解以外のxの解はnの関数になった。
xの整数解がnの関数になるような式は、例えば (x-n)(x-2n)=0 という方程式のように、xの1次の係数がnの倍数になるような式でなければあり得ないことだとも思う。例えば、方程式:
が任意のnで整数解を持つような実数aの条件を求めよ、
という問題ならば、xの整数解がnの関数の整数解を持つ問題になると思う。
【問題2】
aは実数の定数とする。以下の式(1)が任意の自然数nに対して自然数Bになる場合、
以下の式(2)が成り立つことを証明せよ。
(問題おわり)
【解答】
自然数nが十分に大きい場合に、以下の式が成り立つ。
このように、自然数nが十分に大きい場合にいつも式(1)のBが自然数になるならば、式(2)が成り立った。
この式(2)は、自然数nが十分に大きい場合に限らず、nがどの自然数の場合でも、式(1)のBを自然数にする解である。
(解答おわり)
【問題3】
aは実数の定数とする。以下の式(1)が任意の自然数nに対して自然数Bになる場合、
以下の式(4)が成り立つことを証明せよ。
(問題おわり)
【解答1】
自然数nが定数aよりも十分に大きい場合に、以下の式が成り立つ。
このように、自然数nが十分に大きい場合にいつも式(1)のBが自然数になるならば、式(4)が成り立つ。
この式(4)は、自然数nが十分に大きい場合に限らず、nがどの自然数の場合でも、式(1)のBを自然数にする解である。
(解答1おわり)
【解答2】
自然数nが定数aよりも十分に大きい場合に(式(2))、以下の式が成り立つ。
このように、自然数nが十分に大きい場合にいつも式(1)のBが自然数になるならば、式(4)が成り立つ。
この式(4)は、自然数nが十分に大きい場合に限らず、nがどの自然数の場合でも、式(1)のBを自然数にする解である。
(解答2おわり)
(補足)
この問題3の定理は、公式だと言ってしまいたい定理です。しかし、この定理を使うときは上記のようにきちんと定理を証明して使う必要があります。
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任意の整数nに対するxの方程式が整数解を持つ問題は、nの絶対値が十分大きい場合を考えて解くと問題が解き易くなります。
【問題1】
aは実数の定数とする。任意の整数nに対する次のxの方程式が整数解を持つようなaの値をすべて求めよ。
【解答1】
この問題は、nの値毎に異なるxの整数解があり得ると考えつつ解く。また、この問題の条件は、式(1)が少なくとも1つの整数解を持つだけで良いとみなして解く。
先ず、n=0 の場合を考える。
その場合は、 3x+a=0
が成り立つ。
そのため、xが整数解を持つために、aが(0を含む)3の倍数でなければならない結論を得る。 (第0の条件)
|n|が十分に大きい場合を考える。
(1)より、
|n|が十分に大きい場合に、有限の値のxの解があるならば、上の式(2)は以下の式に収束する。
nの絶対値が十分に大きい場合には、式(2)の解は以下の値程度になると計算できる。
式(2)のこの解は、有限の値のxの解を持つ。また、この解は、式(3)の整数解とわずかしか異なることができない。その式(2)が1つの整数解を持つ場合は、その1つの整数解は、式(3)の2つの整数解のいずれか1つの整数解にしか成り得ない。式(3)のxの整数解は、
x=0,ー1
の2つがある。
(第1の解)式(2)がx=0 の整数解を持つ場合は、a=0 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
(第2の解)式(2)がx=-1 の整数解を持つ場合は、a=3 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
いずれの場合でも、式(2)の第1項と第2項の和が式(3)の左辺と同じなので、式(2)が式(3)の解のうちの1つを持つ場合は、第1項と第2項の和が0になる。また、そのときに式(2)が0になるため、残りの第3項も0になる。それは、以下の式(4)の条件が成り立つことを意味する。その式(4)によって a の解が定まる。
このように、|n|が十分に大きい場合に対して、aの解が得られた。
このaの解は、整数nの絶対値が十分に大きい場合に限らず、nがどの整数値の場合でも、nが0の場合でも、xの解を整数値にすることができるaの解である。
すなわち、a=0 又は a=3
(解答1おわり)
【解答2】
この問題は、nの値毎に異なるxの整数解があり得ると考えつつ解く。また、この問題の条件は、式(1)が少なくとも1つの整数解を持つだけで良いとみなして解く。
先ず、n=0 の場合を考える。
その場合は、 3x+a=0
が成り立つ。
そのため、xが整数解を持つために、aが(0を含む)3の倍数でなければならない結論を得る。 (第0の条件)
|n|が十分に大きい場合を考える。
(1)より、
|n|が十分に大きい場合に、(1+(3/n))が1に収束するので、上の式(2)は以下の式に収束する。
そのため、式(2)の解は、|n|が十分に大きい場合にこの収束した式の解に近い解を持つ。その解が整数解を持つならば、この収束した式の整数解の、x=0、または、x=ー1を解に持つ可能性がある。
(第1の解)式(2)がx=0 の整数解を持つ場合は、式(2)にx=0を代入する。
a=0 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
(第2の解)式(2)がx=-1 の整数解を持つ場合は、式(2)にx=-1を代入する。
a=3 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
このように、|n|が十分に大きい場合に対して、aの解が得られた。
このaの解は、整数nの絶対値が十分に大きい場合に限らず、nがどの整数値の場合でも、nが0の場合でも、xの解を整数値にすることができるaの解である。
すなわち、a=0 又は a=3
(解答2おわり)
【解答3】
先ず、n=0 の場合を考える。
その場合は、 3x+a=0
が成り立つ。
そのため、xが整数解を持つために、aが(0を含む)3の倍数でなければならない結論を得る。 (第0の条件)
|n|が十分に大きい場合を考える。
(1)より、
nの絶対値が十分に大きい場合には、式(2)の解は以下の値程度になると計算できる。
式(2)のこの解は、有限の値のxの解を持つ。この解は、|n|が十分に大きい場合に整数解を持つならば、x=0、または、x=ー1を解に持つ可能性がある。
(第1の解)式(2)がx=0 の整数解を持つ場合は、式(2)にx=0を代入する。
a=0 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
(第2の解)式(2)がx=-1 の整数解を持つ場合は、式(2)にx=-1を代入する。
a=3 が必要である。この解は、aが3の倍数であり、第0の条件も満足する。なお、式(2)の他のxの解は整数解ではない。
このように、|n|が十分に大きい場合に対して、aの解が得られた。
このaの解は、整数nの絶対値が十分に大きい場合に限らず、nがどの整数値の場合でも、nが0の場合でも、xの解を整数値にすることができるaの解である。
すなわち、a=0 又は a=3
(解答3おわり)
(補足1)
論点を明確にする解をつきつめた結果、解答3の方が、解答1よりも単純かつ明快な解答になった。解答1の論理を工夫して解答2が作れた。解答2の方が解答3よりも単純な解答になった。
(補足2)
この問題で、式(2)が1つの整数解を持っても、式(2)のもう1つの解は整数解ではなく、それはnに依存する解になることに注意すべき。式(2)の解はnに依存する解である。定数aを定めると、式(2)の解のうちの1つを整数解にするだけである。定数aの値を所定の値にすると式(2)の全ての解が整数解になるという解釈は間違っている。
(補足3)
nの値毎に異なるxの整数解があり得ると考えつつ解いたが、xの整数解がnの関数になるということは起こらなかった。そのかわり、整数解以外のxの解はnの関数になった。
xの整数解がnの関数になるような式は、例えば (x-n)(x-2n)=0 という方程式のように、xの1次の係数がnの倍数になるような式でなければあり得ないことだとも思う。例えば、方程式:
が任意のnで整数解を持つような実数aの条件を求めよ、
という問題ならば、xの整数解がnの関数の整数解を持つ問題になると思う。
【問題2】
aは実数の定数とする。以下の式(1)が任意の自然数nに対して自然数Bになる場合、
以下の式(2)が成り立つことを証明せよ。
(問題おわり)
【解答】
自然数nが十分に大きい場合に、以下の式が成り立つ。
このように、自然数nが十分に大きい場合にいつも式(1)のBが自然数になるならば、式(2)が成り立った。
この式(2)は、自然数nが十分に大きい場合に限らず、nがどの自然数の場合でも、式(1)のBを自然数にする解である。
(解答おわり)
【問題3】
aは実数の定数とする。以下の式(1)が任意の自然数nに対して自然数Bになる場合、
以下の式(4)が成り立つことを証明せよ。
(問題おわり)
【解答1】
自然数nが定数aよりも十分に大きい場合に、以下の式が成り立つ。
このように、自然数nが十分に大きい場合にいつも式(1)のBが自然数になるならば、式(4)が成り立つ。
この式(4)は、自然数nが十分に大きい場合に限らず、nがどの自然数の場合でも、式(1)のBを自然数にする解である。
(解答1おわり)
【解答2】
自然数nが定数aよりも十分に大きい場合に(式(2))、以下の式が成り立つ。
このように、自然数nが十分に大きい場合にいつも式(1)のBが自然数になるならば、式(4)が成り立つ。
この式(4)は、自然数nが十分に大きい場合に限らず、nがどの自然数の場合でも、式(1)のBを自然数にする解である。
(解答2おわり)
(補足)
この問題3の定理は、公式だと言ってしまいたい定理です。しかし、この定理を使うときは上記のようにきちんと定理を証明して使う必要があります。
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知恵袋からきたkreveです
返信削除「しかし、仮に、式(2)のxの整数の解が式(3)でのxの整数解と異なると仮定すると、その場合には、式(2)は式(3)から大きく異なる式になる。」
があまり理解できていません
教えていただけたら嬉しいです!!
「しかし、仮に、式(2)のxの整数の解が式(3)でのxの整数解と異なると仮定すると、その場合には、式(2)は式(3)から大きく異なる式になる。」のところの説明が不明確だったので、内容を書き替えました。
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