2025年10月31日金曜日

確率の難問の解き方

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】
  袋の中に、1と書かれたカードが4枚、2と書かれたカードが3枚、3と書かれたカードが2枚、計9枚のカードが入っている。この袋の中から同時に3枚のカードを取り出す。
(1)取り出した3枚のカードに書かれている数字がすべて異なる確率を求めよ。
(2)取り出した3枚のカードの中に同じ数字が書かれたカードが含まれていたとき、その同じ数字が1である条件付き確率を求めよ。

【解答】
 この問題は、
「樹形図の基本ルール(その2)」
のページを参考にして、以下の図のように、確率樹形図の全貌(の概形)を計算用紙に記述して考える。

(注意)この確率樹形図が書ききれないので、この問題は難問だとわかる。

特に、
「複数の玉を同時に取り出す確率の問題とコンビネーションを用いて良い定理」
のページの結論により、
「同時に」カードを取り出す問題であっても、そのカードを、時間差をもうけた「順番に」取り出す問題と考えて問題をわかり易くして解く。
すなわち、確率樹形図の枝を表す事象の連鎖は、
「順番に確認する事象」をあらわすようにする。

(この問題への事象の要素の順番の導入方法は)同時に取り出した3枚のカードの、カードを確認する順番の、1枚目、2枚目、3枚目の順を考えることで事象の要素の順番を導入して確率樹形図を書く。

その事象の連鎖毎に確率を考えて解く(そうする方が解き易いからである)。

問(1)は、
3枚のカードの番号が全て異なる場合である。
順番を考えた事象の連鎖毎の確率が、

の6組ある(事象の連鎖の要素の順番のバラエティが6である)ことを認識して解く。
 その6組の事象の連鎖の、各事象の連鎖の確率の式は、分母が、1枚目と2枚目と3枚目のカードを選ぶときに残っているカードの枚数を掛け算した値であって一定である。一方、確率の式の分子では、取り出す候補のカードの枚数の順番が異なるだけで、
(1枚目に取り出す候補のカードの枚数)×(2枚目に取り出す候補のカードの枚数)×(3枚目に取り出す候補のカードの枚数)
であらわす、カードの枚数の積の値が変わらない。そのためどの事象の連鎖の確率も皆同じ確率になるので、
答えは、1つの事象の連鎖の確率の6倍になり、確率の合計は、

(問(1)の解答おわり)

(次の問(2)のヒントとしてこの解を位置付けることができるために、この問(1)の解が簡単に解けたと感じる感覚が必要です。)

問(2)は、
取り出した3枚のカードの中に同じ数字が書かれたカードが含まれている場合である。
 添付図のような事象の連鎖を考える。 同じ数字が含まれているあらゆる事象の連鎖を記載し、各事象の連鎖毎に、その確率と、事象の要素の順番を入れ替える順番のバラエティを、以下のように記載する。

その総和を計算できる。
その総和は、いちいち計算しても得られますが、

そこまで苦労しないでも、
問(2)の同じ数字が含まれている場合は、問(1)の場合の余事象なので、
その確率=1ー(2/7)=5/7,
で簡単に計算できる。

よって、同じ数字が1である条件付き確率=
(1が2枚以上ある確率)÷(5/7)=

(問(2)の解答おわり)

 計算用紙の計算で以上の解答が得られたので、
問題(2)の解答用紙には、
【問(2)の、解答用紙への記述の開始】
(同じ数字が含まれている場合の確率)
は、
問(1)の場合の余事象の確率=1ー(2/7)=5/7,
で計算して答えを得る。

(1が2枚以上ある確率)の計算では、

だけを計算する。
 ここで、(1,1,x)の事象の連鎖の要素の順番を変えた(1,x,1)と(x,1,1)とを合わせた3つの事象の連鎖については、各事象の連鎖の確率の式は、 分母が、1枚目と2枚目と3枚目のカードを選ぶときに残っているカードの枚数を掛け算した値であって一定である。 一方、確率の式の分子は、取り出すべき候補のカードの枚数の順番が異なるだけで、取り出す候補のカードの枚数の積の値が変わらない。そのためどの事象の連鎖の確率も皆同じ確率になるので、この3つの事象の連鎖の確率の合計は、そのうちの1つの事象の連鎖の確率の3倍になる。

 そして、以下の式で、問(2)の答えがあらわせる。
同じ数字が1である条件付き確率=

(問(2)の解答おわり)
と記載すれば良い。
(解答おわり)

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