2022年3月26日土曜日

3点が1直線上にある証明

以下は、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】
 平行四辺形ABCD内の1点Pを通り,各辺に平行線を引き辺AB,CD,BC,DAとの交点を,順にQ,R,S,Tとする。2直線QS,RTが点Oで交わる時,3点O,A,Cは1つの直線上にあることを示せ。



《解答方針》
 この問題をメネラウスの定理の逆を用いて3点が一直線上にあることを証明する証明方法が良く知られています。
このページでは、その証明方法は使わず、もっと問題の本質を的確に把握して証明する、ベクトルの概念を用いた証明方法を示します。

【解答】
AT=QP=BS=x,
TD=PR=SC=y,
AQ=TP=DR=s,
QB=PS=RC=t,
とする。

水平線をOTRとして、その水平線上の点Aと点Pと点Cの高さの比は:
平行する2つの線分TAとRPを考え、
点Aの高さ→x,
点Pの高さ→y,
(点Pの高さ)/(点Aの高さ)=(y/x),
になる。

また、
平行する2つの線分RCとTPの長さの比が
(RC/TP)=(t/s)であるので、
(点Cの高さ)/(点Pの高さ)=(t/s),
よって、
(点Cの高さ)/(点Aの高さ)={(点Cの高さ)/(点Pの高さ)}{(点Pの高さ)/(点Aの高さ)}
=(t/s)(y/x)
=(yt)/(sx),   (1)

一方で、
水平線をOQSとして、その水平線上の点Aと点Pと点Cの高さの比は:
平行する2つの線分QAとSPを考え、
点Aの高さ→s,
点Pの高さ→t,
(点Pの高さ)/(点Aの高さ)=(t/s),
になる。

また、
平行する2つの線分SCとQPの長さの比が(SC/QP)=(y/x)であるので、
(点Cの高さ)/(点Pの高さ)=(y/x),
よって、
(点Cの高さ)/(点Aの高さ)={(点Cの高さ)/(点Pの高さ)}{(点Pの高さ)/(点Aの高さ)}
=(y/x)(t/s)
= (yt)/(sx),   (2)

直線OTRを水平線(基準線)とした基準線からの高さの比(式1)も、
直線OQSを水平線(基準線)とした基準線からの高さの比(式2)も同じ(yt)/(sx)であった。

ベクトルOAとOCを以下の式であらわす。

そうすると、
直線OTRを基準(水平線)にした、(点Cの高さ)/(点Aの高さ)は、f/w,
直線OQSを基準(水平線)にした、(点Cの高さ)/(点Aの高さ)は、e/u,
になる。
ここで、式(1)と式(2)から、その高さの比は等しく(yt)/(sx)であった。
ゆえに、
f/w=e/u=(yt)/(sx),
そのため、ベクトルOCは、ベクトルOAの(f/w)倍の大きさの、ベクトルOAに平行なベクトルである。
よって、点O,A,Cは一直線上にある。

(証明おわり)

《ここをクリックして得るpdf》
 この設問では無いのですが、3点が一直線上にある事を示す種々の方法の事例が書いてあります。

リンク:
メネラウスの定理の証明:線の垂直線への射影の利用
高校数学の目次

2022年3月22日火曜日

確率の問題を空試行を考えて解く

これは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問1】
 下の図のような格子状の道がある。スタートの場所Aから出発し,コインを 投げて,表が出たら右へ 1 区画進み,裏が出たら上へ 1 区画進むとする。
ただし,右の端で表が出たときと,上の端で裏が出たときは動かないものとす る。
 この試行を行なうとき、以下の問いに答えよ。
(1) 8 回コインを投げ てもゴールBに到達できない確率を求めよ。


 
【空試行を考えた解答1】
 先ず、全試行のうちの1つの事象を数列で表します。
表が出る場合を1とし、裏が出る場合を0とすると、
8回以内でゴールに到達する全ての場合は、
以下の3通りがあります。

(7回でゴールに達する場合)の事象の連鎖:
(1,1,1,0,0,0,1)
(1,1,1,0,0,1,0)
(1,1,1,0,1,0,0)
(1,1,1,1,0,0,0)
・・・

通りがあります。

(8回でゴールに達する場合(その1))の事象の連鎖:
8回目の試行の事象が0になる事象の連鎖。
(1,1,1,1,0,0,1,0)
(1,1,1,1,0,1,0,0)
(1,1,1,1,1,0,0,0)
・・・

通りがあります。

(8回でゴールに達する場合(その2))の事象の連鎖:
8回目の試行の事象が1になる事象の連鎖。
(1,1,0,0,0,0,1,1)
(1,1,0,0,0,1,0,1)
(1,1,0,0,1,0,0,1)
・・・

通りがあります。

 7回でゴールに達する場合を、既にゴールに達した後でもコインを投げる空試行も加えると、8回の試行で表された事象の連鎖として表すことができます。そうすることで、その8回の試行の事象の連鎖が生じる確率が、8回でゴールインする場合の8回の試行の事象の連鎖の生じる確率と、同様に確からしくなります。
(空試行の追加その1)の事象の連鎖:
8回目の試行の事象が1になる事象の連鎖。
(1,1,1,0,0,0,1,0)
(1,1,1,0,0,1,0,0)
(1,1,1,0,1,0,0,0)
(1,1,1,1,0,0,0,0)
・・・

通りと、
(空試行の追加その2)の事象の連鎖:
8回目の試行の事象が1になる事象の連鎖。
(1,1,1,0,0,0,1,1)
(1,1,1,0,0,1,0,1)
(1,1,1,0,1,0,0,1)
(1,1,1,1,0,0,0,1)
・・・

通り、
があります。

8回でゴールに達する場合(その1)の事象の連鎖に、7回でゴールに達した後でコインを投げる空試行の追加その2の場合の事象の連鎖を加えると、
以下の、1が5つと0が3つの場合の全事象が得られる:
8回でゴールに達する場合(その1)の事象の連鎖:
(1,1,1,1,0,0,1,0)
(1,1,1,1,0,1,0,0)
(1,1,1,1,1,0,0,0)
・・・
(7回で達する場合に空試行の追加その2)の事象の連鎖:
(1,1,1,0,0,0,1,1)
(1,1,1,0,0,1,0,1)
(1,1,1,0,1,0,0,1)
(1,1,1,1,0,0,0,1)
・・・

通りがあります。

8回でゴールに達する場合(その2)の事象の連鎖に、7回でゴールに達した後でコインを投げる空試行の追加その1の場合の事象の連鎖を加えると、
以下の、1が4つと0が4つの場合の全事象が得られる:
8回でゴールに達する場合(その2)の事象の連鎖:
(1,1,0,0,0,0,1,1)
(1,1,0,0,0,1,0,1)
(1,1,0,0,1,0,0,1)
・・・
(7回で達する場合に空試行の追加その1)の事象の連鎖:
(1,1,1,0,0,0,1,0)
(1,1,1,0,0,1,0,0)
(1,1,1,0,1,0,0,0)
(1,1,1,1,0,0,0,0)
・・・

通りがあります。

その2つの場合を合わせて計算することで、
8回以内でゴールBに到達する全ての場合の確率が以下の式で計算できる。

そのため、8 回コインを投げ てもゴールBに到達できない確率は、以下の式で計算できる。

(解答おわり)

 リンク:
高校数学の目次


2022年3月8日火曜日

三角形の2辺と1つの角から残りの辺を求める

これは、ここをクリックした先のページの問題の解答です。

【問1】

上図の三角形ABCの長さbを求めよ。

【解答】
 この問題は、3辺の2乗を使う余弦定理を用いて、長さbを計算することもできる。しかし計算間違いをし易い計算になる。

【余弦定理を使うよりも楽な解き方】
 以下の様に計算すると、それよりも楽に計算ができる。

【解答はじめ】
 以下の様に補助線を引いて直角三角形ABHを作って計算します。

①②③④の順に長さを求めて、 b=AC=2, を計算する。
(解答おわり)

(補足)
 この解き方を高校生が知ると、毎回この解き方で解き、余弦定理を使わないので、余弦定理を覚えさせるためにこの解き方は高校の先生には望まれていないようです。
 しかし、真剣勝負の場では、すなわち大学受験や、校外の模擬試験では、もちろん楽な解き方の方が良いので大いに使ってください。

リンク:
高校数学の目次


2022年2月27日日曜日

無理関数の式への因数分解の公式

これは、ここをクリックした先のページの問題の解答です。

【問題1】以下の等式(1)を証明せよ。



【解答】

(証明おわり)

【問題1(b)】以下の等式(1b)を証明せよ。


【解答】

(証明おわり)

【問題2】以下の等式(2)を証明せよ。


【解答】

(証明おわり)

【問題3】以下の等式(3)を証明せよ。


【解答】

(証明おわり)

なお以下の式も成り立つ。


【問題4】以下の等式(4)を証明せよ。


【解答】

(証明おわり)

【問題5】以下の等式(5)を証明せよ。


【解答】

(証明おわり)

【問題6】以下の等式(6)を証明せよ。


【解答】

(証明おわり)

【問題7】以下の等式(7)を証明せよ。


【解答】

(証明おわり)

リンク:
高校数学の目次


2021年10月28日木曜日

技巧的な、無理関数の方程式の解き方(その2)

これは、ここをクリックした先のページの問題の解答です。

【問題1】以下の方程式(式(1))を簡単な方程式に変換せよ。



【解答】
《式(1)の形の無理関数の方程式は、この式を変形した式の両辺を2乗して計算すれば解けるが、そうするよりは、以下のように変数sを導入して解くと計算が楽になる》
 先ず、以下の式で表す変数sを導入して、以下のように計算を進める。



上式の様に方程式が簡単になった、
(解答おわり)

リンク:
高校数学の目次


2021年10月24日日曜日

技巧的な、無理関数の方程式の解き方

これは、ここをクリックした先のページの問題の解答です。

【問題1】以下の方程式(式(1))のxの解を求めよ。


ただし、A>0, B>0, k>0, であるものとする。

【解答】
《式(1)の形の無理関数の方程式は、この式を変形した式の両辺を2乗して計算するのでは無く、以下のように変数sを導入すると解き易くなる》
 先ず、以下の式で表す変数sを導入して、以下のように計算を進める。



(解答おわり)

《補足》
 式(11)の形を見ると、
もし、 式(1)が、AとBが、互いに比例するxの整式の場合でも解けることが分かる。すなわち、その様な形をした一見複雑に見える式(1)であっても、式(11)の解が得られるので、その式(11)を変形することでxの解を求めることができることが分かる。


【問題2】以下の方程式(式(1))のxの解を求めよ。

ただし、A>0, B>0, p>0, であるものとする。

【解答】
 式(1)の形の無理関数の方程式は、以下の形に式を変形できる特徴がある。


この式(2)は、問題1の式(1)と同じ式である。こうして、この問題2は、問題1に帰着して解く事ができる。これ以降の計算は問題1の解答と同じなので、計算を省略する。

リンク:
高校数学の目次


2021年10月13日水曜日

3次方程式の3つの解が全て実数解である条件

これは、ここをクリックした先のページの問題の解答です。

【課題】以下の3次方程式(式(1))の3つの解が全て実数解(3つの異なる実数解)である場合の条件を導き出せ。


(課題おわり)

【解1】
《式(1)の関数f(x)の3次方程式の解を求める問題は、変数xを以下の変数tに変換して関数f(x)を、以下の式(2)の形の関数g(t)に変換して解くのが定石である。》
x=t-(a/3),
 その関数g(t)の表すグラフY=g(t)の形を描くと以下の図が描ける。


y=g(t)のグラフが上図の様に2つの極値(極小値と極大値)を持って、極大値の点のy座標が正であり、極小値の点のy座標が負であれば、グラフは t 軸と3つの異なる点で交わる。その場合に式1の解が、その3つの交点の t 座標を表す。
 先ずは、以下の計算により、関数g(t)の係数を導き出す。


 これで準備が出来たので、グラフが2つの極値を持つ条件を導き出す。それは、関数g(t)を微分した関数g'(t)が0になる点が2つあることである。その2つの点の t 座標は方程式(3)で求められる。方程式(3)の解は以下の式で計算できる。

方程式(3)が2つの解を持つ条件は上の式(4)である。そして、式(4)の条件が成り立つ場合の方程式(3)の解の t の値は、以上の2つの値、t1とt2である。

この2つの値の t 座標の点のy座標の値が、先頭の図のグラフの極値のy座標が負と正の値であれば、グラフは t 軸と3つの異なる点と交わる。また、この2つの点のy座標の積が負である条件だけでも t 軸と3つの点で交わる。そのため、この2つの点のy座標を計算して、それらの積を計算することで、それを判別する条件式を求める。

先ず、g(t1)を計算する。


g(t2)も、同様にして、以下の式(6)で表せる。

この2つのy座標の積に、以下のように負の係数を掛け算した値が正になることが求める条件式である。

この式(7)が、3つの解が全て実数解である条件である。(なお、D1が0になることが3次方程式の重解を調べる判別式である)式(7)をよく見ると、式(7)が満足されるならば、 式(4)で表された前提条件(s>0)も満足される事がわかる。

 判別式(7)の左辺D1 は、元の式(1)の係数で表し、更に係数を変えると式(8)であらわすD2 になる。この式(8)=D2 の値が正であることが、3次方程式(式(1))の3つの解が全て実数解(3つの異なる実数解)である場合の条件である。
 式(8)=D2 を27で割り算してD3 を得る。

この式(9)が、3次方程式(式(1))の3つの解が全て実数解(3つの異なる実数解)である場合の条件である。
(解1おわり)

【解2】
 解答1の定石の解き方をしない場合には、以下のように計算が面倒になる。

 この3次方程式の関数f(x)の表すグラフY=f(x)の形を描くと以下の図が描ける。

y=f(x)のグラフが上図の様に2つの極値(極小値と極大値)を持って、極大値の点のy座標が正であり、極小値の点のy座標が負であれば、グラフはX軸と3つの異なる点で交わる。その場合に式1の解が、その3つの交点のx座標を表す。
 そのため、先ず、グラフが2つの極値を持つ条件を導き出す。それは、関数f(x)を微分した関数f'(x)が0になる点が2つあることである。その2つの点のx座標は方程式(2)で求められる。方程式(2)の解は以下の式で計算できる。


この方程式(2)が2つの解を持つ条件は以下の式(3)である。

この式(3)の条件が成り立つ場合の方程式(2)の解は、以下の計算で求められる。

この解のx座標をx1とx2として以下の式で表す。

この2つのx座標の点のy座標の値が、先頭の図のグラフの極値のy座標の値である。その2つの点のy座標の値が負と正であれば、グラフはX軸と3つの異なる点と交わる。また、この2つの点のy座標の値の積が負であるという条件だけでも、グラフはX軸と3つの点で交わる。そのため、この2つの点のy座標を計算して、それらの積を計算することで、それを判別する条件式を求める。

先ず、f(x1)を計算する。




f(x2)も、同様にして、以下の式(5)で表せる。

この2つのy座標の積に、以下のように負の係数を掛け算した値が正になることが求める条件式である。

この式が、3つの解が全て実数解である条件である(解その1)。
 次に、この式D1を展開した式を計算する。


この計算の結果、以下の式(7)の解(解その2)が得られた。


この解の式(7)は、解その1の解の式(9)と同じである。解その1の式(7)を見ると、解その1の式(4)で表された前提条件は、解その1の式(7)が満足されるならば、その式(4)も満足される事が示せた。

よって、解その2の式(7)は、3次方程式(式(1))の3つの解が全て実数解(3つの異なる実数解)である場合の条件である。
(解2おわり)

(補足)以上のようにして、高校数学の範囲で、かろうじて、3次方程式の解の判別式を導き出すことができた。しかし、この問題は、このようにして高校数学の視点に基づいて解を求めるよりは、大学数学の、新たな視点から見た判別式の概念を用いて解を得る方が良い。その方が数学の視野が広がるからです。
 ここをクリックした先の「三次方程式の判別式の意味と使い方」のサイトに、その新たな視点から見た判別式の概念が説明されている。


【解3】
 式(1)の関数f(x)の3次方程式を関数g(x) にかかわる以下の式(2)に変形して、この問題を、関数g(x)の表すグラフy=g(x) と直線y=kxとの交点を求める問題であると解釈する。


y=g(x) のグラフとy=kxとの交点の数は、あるkの値で両グラフが接すると、その値よりも直線の傾きの値のkが大きければ交点の数が多く(3つに)なる。そのため、y=g(x) のグラフと直線y=kxとが接する場合のkの値kと、その接点のx座標とを求める。その接点では、式(3)であらわす曲線y=g(x) のグラフの傾きg’(x) がy=kxの直線の傾きkに等しくなり、以下の式(4)が成り立つ。
 先ずは、以下のように、式(2)と式(4)を連立して関数g(x) のグラフと直線y=kxとが接するkの値と接点のx座標とを求める。


 この方程式(6)を解くと接点のx座標が求められる。
(この3次方程式(6)は、3次方程式(1)から、微分を利用して、係数kを除去してあらわした、式(1)が重解を持つ場合の点をあらわす、式(1)よりもシンプルな優れた方程式である。)

この3次方程式における3次式p(x) が以下の場合(Case1とCase2)で因数分解できた場合は、それぞれの場合で、kの範囲が求められる。Case1の場合では、接点の条件が式(8)である。その結果、式(9)が、方程式(1)が異なる3つの実数解を持つ条件(解答)である。

Case1の場合は、式(9)の解になる。

(Case2)の場合のkの値の範囲が上記のようになる理由は以下の理由による。

-------〔Case2の理由〕-------
 kの解が3つある場合に、以下の図で示した関係がある。


ここで、図のy=g(x)のグラフの形 と、y=k・xのグラフの形から、両グラフの接点のx座標が異なれば、接点の傾きkの値も異なることがわかる。
 そのため、α≠βならばh(α)≠h(β) であることがわかる。その他のαとγの関係も、βとγの関係も同様である。そして、0=p(x)の式(6)のxの解が異なる3個あれば、グラフの接点の傾きkの解も異なる3個あることがわかる。
-------〔Case2の理由おわり〕-------
(解3おわり)

なお、3次方程式(6)の解(グラフの接点のx座標値)を経由しないで、kの条件式を求めるためには、以下のように計算する。

となる(ここをクリックした先のページが参考になる)。上記のkの3次方程式は、式(4)を介して、式(6)のxの3次方程式と等価です。式(6)の3次方程式は、式(1)の解の個数が変わる境目のkの値を与える3次方程式を、xを介して解き易くした方程式であると位置付けられる。

 以下で、kの条件式を求める計算の詳細を説明する。

《グラフの接点のx座標の3次方程式(6)からkの3次式を導出する》


最大の分母を式全体に掛け算する。

こうして、xを消去したkの3次方程式(10)が得られた。このkの3次方程式(10)は【解1】で計算したD3=0 の式と同じ式である。このkの3次方程式(10)を解いてkをを求めるよりは、3次方程式(6)を解いて接点の座標xを求めてから、式(4)を使って、接点の座標xからkを求める方が解き易かった。
 更に、この式(10)のkの3次方程式のkの解の数は調べにくい。その一方で、そのkの解の数は、解き易い3次方程式0=p(x) の式(6)のxの解の数で与えられる。

【問題1】以下の3次方程式(式(1))の解が3つの異なる実数解になるkの値の範囲を求めよ。

(問題1おわり)

【解1】
式(1)の関数f(x)の3次方程式の変数xを以下の変数tに変換して関数f(x)を、以下の式(2)の形の関数g(t)に変換して解く。
 その関数g(t)の表すグラフY=g(t)の形を描くと以下の図が描ける。


y=g(t)のグラフが上図の様に2つの極値(極小値と極大値)を持って、極大値の点のy座標が正であり、極小値の点のy座標が負であれば、グラフは t 軸と3つの異なる点で交わる。その場合に式1の解が、その3つの交点の t 座標を表す。
 先ずは、以下の計算により、関数f(x) を関数g(t)に書き換える。


 これで準備が出来たので、グラフが2つの極値を持つ条件を導き出す。それは、関数g(t)を微分した関数g'(t)が0になる点が2つあることである。その2つの点の t 座標は方程式(3)で求められる。方程式(3)の解は以下の式で計算できる。

方程式(3)が2つの解を持つ条件は上の式(4)である。そして、式(4)の条件が成り立つ場合の方程式(3)の解の t の値は、以上の2つの値、t1とt2である。

この2つの値の t 座標の点のy座標の値が、先頭の図のグラフの極値のy座標が負と正の値であれば、グラフは t 軸と3つの異なる点と交わる。また、この2つの点のy座標の積が負である条件だけでも t 軸と3つの点で交わる。そのため、この2つの点のy座標を計算して、それらの積を計算することで、それを判別する条件式を求める。

先ず、g(t1)を計算する。


g(t2)も、同様にして、以下の式(6)で表せる。

この2つのy座標の積に、以下のように負の係数を掛け算した値が正になることが求める条件式である。

この式(7)が、3つの解が全て実数解である条件である。式(7)を見ると、最初に得られた式(4)で表された前提条件は、式(7)が満足されるならば、その式(4)も満足される事が示せた。

 判別式(7)の左辺D1 は、元の式(1)の係数で表し、更に係数を変えると式(8)になる。この式(8)のD2 の値が正であることが、3次方程式(式(1))の3つの解が全て実数解(3つの異なる実数解)である場合の条件である。
 式(8)を更に変形する。

この3次式p(k) が正になれが式(8) が成り立つ。
以下で、この3次式p(k) を因数分解する。(この設問は、この3次式p(k) が容易に因数分解できるように、問題が作られている。通常の場合では3次式の因数分解は容易ではない)
このp(k) の式にk=1を代入するとp(1)=0になる。そのため、3次式p(k) は、(k-1)で割り切れることがわかる。

この式(10)が、3次方程式(式(1))の3つの解が全て実数解(3つの異なる実数解)である場合の条件である。
(問題1の解1おわり)

【解2】
 式(1)の関数f(x)の3次方程式を関数g(x) にかかわる以下の式(2)に変形して、この問題を、関数g(x)の表すグラフy=g(x) と直線y=kxとの交点を求める問題であると解釈する。


y=g(x) のグラフとy=kxとの交点の数は、あるkの値で両グラフが接すると、その値よりも直線の傾きの値のkが大きければ交点の数が多く(3つに)なる。そのため、y=g(x) のグラフと直線y=kxとが接する場合のkの値kと、その接点のx座標とを求める。その接点では、式(3)であらわす曲線y=g(x) のグラフの傾きg’(x) がy=kxの直線の傾きkに等しくなり、以下の式(4)が成り立つ。
 先ずは、以下のように、式(2)と式(4)を連立して関数g(x) のグラフと直線y=kxとが接するkの値と接点のx座標とを求める。


 この方程式(5)を解くと接点のx座標が求められる。

-------〔注意点〕-------
 方程式(5)を計算すると接点のx座標を求めることができるが、方程式(5)のxの解が複数(例えば3つ)あれば、接点が3つあることになる。その場合は、その接点を与える直線y=kxの傾きkに応じて、方程式(2)単独でのグラフの交点の数が変わるので注意する必要がある。


-------〔注意点おわり〕-------

3次方程式(5)の解が接点のx座標である。
以下で、この3次方程式における3次式p(x) を因数分解する。(この設問は、この3次式p(x) が容易に因数分解できるように、問題が作られている。通常の場合では3次式の因数分解は容易ではない)
 このp(x) の式にx=1を代入するとp(1)=0になる。そのため、3次式p(x) は、(x-1)で割り切れることがわかる。

式(5)の解のx=1を式(4)に代入して、グラフが接する場合のkの値=1が式(7)で求められた。
 そのk=1の値で両グラフが接するので、その値よりも直線の傾きの値のkが大きければ、y=g(x) のグラフとy=kxとの交点の数が多く(3つに)なる。
 そのため、kの値が1より大きく(k>1)、kが式(8)の範囲になることが、3次方程式(式(1))の3つの解が全て実数解(3つの異なる実数解)になる条件である。
(問題1の解2おわり)

《補足》
 解2の解き方は、【課題】の【解3】で示した解き方である。解2では、解1よりも簡単な3次方程式を解く解き方になり解き易かった。解1で解いた3次方程式も解けなければならない。(解2の3次方程式は、解1の3次方程式を2つのグラフの接点の座標のxの値を介して表した、等価な3次方程式である)。微分を利用した解2の解き方の方が、解1よりも、計算の手順が少なく、解に至る手順がシンプルになった優れた解き方である。

【問題2】以下の3次方程式(式(1))の解が3つの異なる実数解になるkの値の範囲を求めよ。


(問題2おわり)

【解1】
 式(1)の関数f(x)の3次方程式を関数g(x) にかかわる以下の式(2)に変形して、この問題を、関数g(x)の表すグラフy=g(x) と直線y=kxとの交点を求める問題であると解釈する。

y=g(x) のグラフとy=kxとの交点の数は、あるkの値で両グラフが接すると、その値よりも直線の傾きの値のkが大きければ交点の数が多く(3つに)なる。そのため、y=g(x) のグラフと直線y=kxとが接する場合のkの値kと、その接点のx座標とを求める。その接点では、式(3)であらわす曲線y=g(x) のグラフの傾きg’(x) がy=kxの直線の傾きkに等しくなり、以下の式(4)が成り立つ。
 先ずは、以下のように、式(2)と式(4)を連立して関数g(x) のグラフと直線y=kxとが接するkの値と接点のx座標とを求める。


 この方程式(6)を解くと接点のx座標が求められる。
以下で、この3次方程式における3次式p(x) を因数分解する。(この設問は、この3次式p(x) が容易に因数分解できるように、問題が作られている。通常の場合では3次式の因数分解は容易ではない)
 このp(x) の式にx=1/4 を代入するとp(1/4)=0になる。そのため、3次式p(x) は、(x-(1/4))で割り切れることがわかる。

式(6)の解のxを式(5)に代入して、各接点のxの値に対応するkの値を計算する。


kの値の範囲の解が上記の範囲になる理由は以下の理由による。

-------〔kの範囲の解の理由〕-------
 kの解が3つある場合に、以下の図で示した関係がある。


-------〔kの範囲の解の理由おわり〕-------
(問題2の解1おわり)

【解2】
 式(1)の関数f(x)の3次方程式を以下の式(2)に変形して、この問題を、関数h(x)の表すグラフと直線y=kとの交点を求める問題であると解釈する。

そして、関数h(x) の極値を求めるために、h(x) を微分して、微分係数が0になるxの値を求める。

式(4)のp(x)=0とする極値を求める方程式は、解1の式(7)を0にする式と同じ式である。後は、解1と同様に計算して解を求める。
(以降の解答を省略)

リンク:
3次方程式が重根を持つ条件
高校数学の目次