2015年4月4日土曜日

オイラーの公式を学んだ理系大学生の解答例

このページは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問】円周角の定理をあらわす以下の複素数平面の図を考えて、以下の式の形で円周角の定理があらわされることを計算して試してみましょう。
(注意)オイラーの定理「exp(iβ)=(cosβ+isinβ)」は、前提条件として使ってください。
この問題の目的はオイラーの定理を証明することでは無く、
(cosβ+isinβ)をexp(iβ)であらわした方が式が簡潔だからです。

【解答】
 この計算問題では、以下のような2つの計算方針の違いによって、計算が楽になったり、つらくなったりします。
 方針1では、2つの三角関数の積の計算までに留まり、計算をやりとげることができる。
 方針2では、3つの三角関数の積の計算になり、混沌とした計算の迷路に迷い込む。

 方針2は、混沌とした計算に迷い込みますので、その計算方針は避けて、方針1で計算をします。

 オイラーの公式を学んで、オイラーの公式を使いこなす理系大学生はこの問題を以下のように解くことができると思います。
(証明おわり)

(注意)
 複素数平面の図で、点zが弦ghの上にあるか下にあるかで、実数Bの値の正負が逆になりますので、注意。

 複素数の計算でベクトルの角度を計算できるようになりましたが、その角度を求める計算には三角関数の積の計算がかかわってきますので、計算が混沌としないために、2つの三角関数の積までの計算で済むように注意して計算しましょう。

(補足)
 この解答の計算はややこしい計算でしたが、それでも、
ベクトルを使って円周角の定理を証明する計算(ここをクリック)
よりは楽な計算でした。

(補足その2)
 この問題を解いた理系大学生は、この問題を解く体験により、以下の様な公式が存在することに気付くのではないかと思います。
そして、体験からつかみ取ったこの公式を使える生きた公式とするために、他の覚えていた三角関数の公式に付け加えて、以下の様にまとめた公式群に整理して覚えるようにすると思います。


上の式の上から2つ目までは、三角関数の公式として教わっている公式です。
上から3つ目が、新しくつかみ取って付け加えた公式です。

 理系大学生ともなれば、人に教わって公式を知るという状態から脱して、自らの体験から公式をつかみ取っていかなければならない立場になると思います。

 そのような理系大学生になれるかどうかを入学試験でテストされるのだと思います。
 そのため、入学試験にいどむ高校生は、自分が自らの体験から公式をつかみ取っていける人であることを、試験で証明していかなければならないと思います。
 そのため、試験勉強も、自らの体験から公式をつかみ取って学んでいくように努めましょう。

リンク:
ベクトルの内積で円周角の定理を確認する
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