2015年4月3日金曜日

複素数平面の計算で円周角の定理を導く計算方法

このページは、ここをクリックした先の問題の解答です。

【問】円周角の定理をあらわす以下の複素数平面の図を考えて、以下の式の形で円周角の定理があらわされることを計算して試してみましょう。
(注意)オイラーの定理「exp(iβ)=(cosβ+isinβ)」は、前提条件として使ってください。
この問題の目的はオイラーの定理を証明することでは無く、
(cosβ+isinβ)をexp(iβ)であらわした方が式が簡潔だからです。

【解答1】
 この問題のような計算を自力で行なう体験を積み重ねると、どういうときに計算が楽にでき、どういう時には、つらい計算になるかを覚えてしまい、自動的に楽な計算の道に進むようになります。

 この計算問題では、以下のような2つの計算方針の違いによって、計算が楽になったり、つらくなったりします。
 方針1では、2つの三角関数の積の計算までに留まり、計算をやりとげることができる。
 方針2では、3つの三角関数の積の計算になり、混沌とした計算の迷路に迷い込む。

 方針2は、混沌とした計算に迷い込みますので、その計算方針は避けて、方針1で計算をします。
(解答1おわり)

(注意)
 複素数平面の図で、点zが弦ghの上にあるか下にあるかで、実数Bの値の正負が逆になりますので、注意。

 複素数の計算でベクトルの角度を計算できるようになりましたが、その角度を求める計算には三角関数の積の計算がかかわってきますので、計算が混沌としないために、2つの三角関数の積までの計算で済むように注意して計算しましょう。

(補足)
 この解答の計算はややこしい計算でしたが、それでも、
ベクトルを使って円周角の定理を証明する計算(ここをクリック)
よりは楽な計算でした。

【解答2】
以下の様に計算することもできます。

以上の計算によって、ベクトル(zg)とベクトル(zh)の成す角βの2倍を計算した結果が、ベクトルgとベクトルhの成す角度になった。
すなわち、ベクトルzの位置にかかわりなく一定の角度になり、円周角が一定である事を示した。
(解答2おわり)

(補足)
 以上の解答2の計算は、図形の考察によって、ベクトル(zg)とベクトル(zh)の成す角βの2倍が、ベクトルgとベクトルhの成す角度になる事を知っているので、その図形の定理を複素数平面の計算の形で表した。
 図形の考察によって問題を解き、次に、その解をなぞって複素数の計算をした。この複素数計算の発想は図形の考察に基づくものである。

リンク:
ベクトルの内積で円周角の定理を確認する
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