2025年10月10日金曜日

パラメータaに対する、方程式の異なる実数解の個数の問題

これは、ここをクリックした先のページの問題の解答です。

【問題1】以下の式(1)の方程式の解が3つの異なる実数解になるaの値の範囲を求めよ。


【解1】
 式(1)の方程式を、以下の関数f(x) のグラフと直線g(x) のグラフの交点を求める問題であると解釈する。

y=f(x) のグラフとy=4axとの交点の数は、あるaの値で両グラフが接すると、その値よりも直線の傾きの値の4aが小さければ交点の数が多く(3つに)なる。そのため、y=f(x) のグラフと直線y=4axとが接する場合の接点のx座標と、直線の傾き4aの値とを求める。その接点では、式(2)であらわす曲線y=f(x) のグラフの傾きf’(x) がy=4axの直線の傾き4aに等しくなり、以下の式(5)及び(5a)が成り立つ。
 先ずは、以下のように、式(5)と式(6)を連立して関数f(x) のグラフと直線y=4ax とが接するaの値と接点のx座標とを求める。


 式(5a)と式(6a)を連立して解くと、グラフが接するときの接点のx座標及びaの値が求められる。a=0の場合にはx=1の点で接する。それ以外の解は、以下の式で求められる。

y=f(x) のグラフとy=4axのグラフが接する場合は、接点のx座標がeであり、パラメータaが(1/e)である。

y=f(x)のグラフの形を見ると、
xの解の数は、
式(3)があらわす直線
y=4ax
の傾きaの値が、y=f(x) のグラフと直線が接する場合のa=1/e の場合よりも直線の傾きが小さければ、
解の数が3つある。
つまり、
交点のxの解の数は、
a<0 : 0個
a=0 : 1個
0<a<1/e:3つ、
a=1/e : 2つ
1/e<a : 1つ
というように、aの値によって交点のxの解の数が変わる。
結局、式(1)の方程式の解が3つの異なる実数解になる場合は、パラメータaが、
0<a<1/e
となる場合である。
(解1おわり)

【解2】
 式(1)の方程式を、以下の関数h(x) のグラフと直線y=4a のグラフの交点を求める問題であると解釈する。

以下の計算のように、関数h(x) を微分して関数h(x) のグラフの極値を与えるxの値を求めて上記のグラフを書く。

関数h(x) のグラフの形から、交点のxの解の数は、
a<0 : 0個
a=0 : 1個
0<a<1/e:3つ、
a=1/e : 2つ
1/e<a : 1つ
というように、aの値によって交点のxの解の数が変わる。
結局、式(1)の方程式の解が3つの異なる実数解になる場合は、パラメータaが、
0<a<1/e
となる場合である。
(解2おわり)

【問題2】以下の式(1)の方程式の解が3つの異なる実数解になるaの値の範囲を求めよ。


【解答】
 式(1)の両辺を2乗して式(2)を得る。

この式(5)を、a>0の条件の下で、問題1と同様にして解く。その結果、
方程式の解が3つの異なる実数解になる場合は、パラメータaが、
0<a<1/e
となる場合である。
(解答おわり)

リンク:
3次方程式の3つの解が全て実数解である条件
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