2016年12月20日火曜日

三角形の高さと外接円の半径の関係の証明(その2)

これは、ここをクリックした先のページの問題の解答です。

【問1】 
三角形の外接円の半径Rに関するこの式が成り立つことを証明せよ。
(正弦定理を使って良い)


【解答1】
この定理を印象に残して覚え易くするために、以下では、正弦定理を使わないで直接的にこの定理を証明する。 
上の図に以下の補助線を引いて、三角形ACEと三角形ADBを考える。
円周角の定理により∠ACB=∠ADBであるので、
直角三角形ACE∽直角三角形ADB
である。
よって、
(証明おわり)

【解答2】
 以下の様に考えて証明することもできる。
先ず上の図の三角形の底辺BCに平行な直径DEを引く。
上図のように辺CAを平行移動させた辺EFを引く。
上図の三角形DEFの面積は、半径Rのh倍である。
次に、以下の図の様に辺ACに垂直な補助線BGとDHを引く。
更に、直径BJを引く。
上図で三角形BJAと三角形DEHは、直径BJとDEが等しい。
また、円周角BJAとBCAが等しく、∠BCA=角DEHである。
そのため、三角形BJAと三角形DEHは2角狭角が等しいので合同である。
ゆえに、三角形DEHの辺DHの長さは三角形BJAの辺BAの長さと等しく、長さがcである。

そして、辺DHは辺EFに垂直であるので、
三角形DEFの面積はbc/2である。


よって、Rh=bc/2

(証明おわり)

【解答3】
 正弦定理を使って証明する。
(解答おわり)

(補足1)
 この式:
2Rh=bc (1)
を、正弦定理を使って証明できますが、
この式は正弦定理を使わないで図形で証明できますので、
図形の証明で得たこの式を使って正弦定理を証明することもできます。 
すなわち、
三角形ABCの面積Sは:
S=ah/2 (2)
であり、
S=bc・sinA/2
であるから、
ah=bc・sinA (3)
この式3に式1を代入すると
ah=2Rh・sinA,
a=2R・sinA,
(正弦定理)
こうして正弦定理を得ることもできる。

(補足2)
 この式(1)を使うことで、三角形の高さhと辺bと辺cの長さが分かっている場合に、外接円の半径Rが計算できる。

【解答4】
 以下の図の様に、高さhの三角形ABCの原点を外心Oにする。そして、図の様に定義したベクトルを使って計算する。
 ベクトルbに垂直なベクトルとベクトルcの内積の式を、それが三角形ABCの面積Sの2倍になる事を利用して、以下の様に式を変形する。
この計算結果に、
円周角の定理に関わる角度の定理の:
ベクトルhとベクトル(ーB)の成す角度が∠Aである
事を適用すると、
2S=2hR・sinA
になる。
三角形の面積を表す公式:
2S=ab・sinA
と組み合わせると、
2hR=ab
が得られる。
(解答おわり)

(補足)
 以上の、解答4の、最初の内積の式から変形していく計算は、以下の図形でのベクトルの変換の想像と同期させて欲しい。

リンク:
高校数学の目次

三角形の高さベクトルhの公式

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